ブルペン陣は苦しんだが若い投手は多く光明が見える

今シーズンは、2020年シーズンのピッチングスタッフの無理な運用法のツケが、多大な影響を与えた。しかし、若い投手も多く出てきた。ルーキーながら大活躍をした大勢はもちろんのこと、赤星優志、山﨑伊織、直江大輔、堀田賢慎、井上温大、菊地大稀といった投手が一軍で登板した。来年以降の種まきという意味合いでは収穫があったのではないだろうか。

さらに、4年目の戸郷翔征が、最多奪三振を獲得する活躍を見せたのも大きい。近い世代の活躍を間近で見て、刺激をもらいながら他の投手にもいい影響が出ることに期待していきたい。

一方で、今シーズン先発や中継ぎでなかなか結果を出せなかった中堅どころの選手は、来シーズンで結果を出せないとその立場は非常に厳しくなっていくだろう。

衰えを隠せない野手陣の高齢化も懸念材料

投手陣にばかり触れていたが野手陣にも触れたい。今シーズンは、20本塁打以上が5選手いたことには触れたが、レギュラー選手では吉川尚輝と岡本、大城卓三以外は30代という現実から目を背けてはならない。

坂本や丸、中田といった主力選手は30代中盤に差し掛かるため、パフォーマンスがいつガタっと落ちてもおかしくはない。そんななかで、野手の獲得は必要不可欠である。そのため、今年のオフはFAからドラフトまで全力で若い野手の獲得に動いてほしい。

前回のコラムにも載せた森友哉はもちろんのこと、広島カープの西川龍馬といった選手は、打力のある左打者でありながら、年齢的にもまだ20代である。2019年オフに鈴木大地を取り逃がしたことが、あとになって影響しているのを見ると、チャンスがあるのならば必ず獲得に乗り出してほしいと強く願うばかりだ。

ドラフトでは、さっそく甲子園で活躍をした高松商の浅野翔吾の1位指名を明言したが、この選手も丸の後釜として絶対ほしいところだ。

今年のオフの巨人は、2007年オフのアレックス・ラミレスやセス・グライシンガー、マーク・クルーンや2011年オフの杉内俊哉や村田修一、デニス・ホールトンを獲得したようなえげつなさに期待したい。期待というよりも、2021年、2022年とここまで弱さを露呈したのだから、絶対にFAとドラフトでチームを強くする選手を獲得してほしい。

そして、来シーズンは2019年のように『優勝以外は意味がない』という意気込みでシーズンに臨んでほしい。来年はAクラス争いに盛り上がるのではなく、優勝争いや日本シリーズで盛り上がるチームになることに期待したい。


プロフィール
ゴジキ(@godziki_55)
自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」「データで読む高校野球 2022」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」等で、巨人軍や国際大会、高校野球の内容を中心にコラムを執筆している。今回、新たに「WANI BOOKS NewsCrunch」にてコラムを執筆。Twitter:@godziki_55