同業者から「わかる!」という声がもらえるように

――たしかに、漫画のほうがスッと頭に入ってきます。工事現場などの細かい部分までは知っていない人にも、簡単にその場の状況がわかるというか。

福田:我々の理想系が、漫才師の中川家さんがやるテレビ局のADとカメラマンのネタなんです。鉄板のやつ。業界人のモノマネをしているんですけど、業界のことを知っている人はもちろん面白がっていると思うんですけど、例えば僕みたいにテレビ局のこと知らない人間でも「なんか面白いな」と思える。

あのお笑いのセンスが、我々の目指すところやなっていうふうに思っています。工務店をよく知らなくても、くすっと笑えたりとか、そういうようなことですよね。

――立ち上げの段階から同業者向けにというよりは、工務店のことを知らない人向けに作っていこうと?

松本:もちろんそれもあります。でも、やっぱり同業者の人たちが「これ、これ! わかる!」っていうのがないと、ちょっと幅が広くなりすぎて、ゆるい感じになってしまう。「結構コアなところ攻めてるなー」みたいな感じにしたくて。完全にプロ仕様のお話もあります。

建築業界じゃない方も、プロ仕様の話に興味を持ってくれている人もいると思うんです。DIYが好きな人とか。そういう方々も、ふわっとしてる話よりも「本当の職人さんってこうなんだ」と、深いところを知れたほうがうれしいと思うんです。なので「業界の人に引っかかる話」っていうのが根本にありますね。

福田:同業者も納得できるっていうもの、それが一番かなと思っています。そういう話を出していたら、建築業界のことを知らない方も面白がってくれるんじゃないかと。ありがたいことに、今はフォロワーさんがだいぶ増えてきて、男女比率も半々ぐらいなんですよ。最初は男性9割だったんです(笑)。

――そうだったんですね。最初は同業者の方がフォローしてくださって、そこから広がっていき、今は半々くらいになったんですね。女性に人気があるのは、どういったお話だと思いますか?

松本:動物が出てくるお話も結構あるんです。そうしたら、犬や猫が好きなフォロワーさんがめちゃめちゃ増えたときがあって。それなのかなと思っています。

福田:最近は、犬や猫を飼っている職人さんが結構多いんです。なので、「職人×動物好き 」っていうパターンもドハマりしたのかなと。

松本:あとは今、職人の奥さんで見てくれている人がめちゃめちゃいると思います。コメントを読んでいたら「うちの旦那が~」っていうのがすごく多いので(笑)。

▲第169話「職人の妻たち」