一番反響があった「ホームセンターあるある」
――4コマ漫画の元ネタって、どういう形で集めているのでしょうか?
松本:1ヶ月に何回か、会社の人間も入れてZOOMで集まって、ネタ出しとかしていましたね。今はLINEでグループを作って、それぞれ日々あった出来事で、漫画にできそうなことを共有していくような形でネタ出ししています。
――なるほど。思いついたり面白そうなことをどんどん共有していくんですね。
松本:でも、ネタ出しも苦労しているんです。この業界にずっといると、すべてが“慣れてくる”んですよね。だから、その出来事が面白いかどうかわからないときもあります。そういうことってあるじゃないですか。業界外の人から見たらちょっとおかしいかもしれないけど、中にいたら当たり前というようなことって。
福田:どっちかというと、松本とか会社の人が話してることを聞いて、僕が漫画にできそうなこと拾うっていう感じです。「あ、それ漫画にできるかもな」みたいな感じで。自分で言うのもなんですが、僕も漫画の描く腕が少し上がってきたのか、誰かが言った何気ない一言で4コマ漫画が作れるようになってきて(笑)。
例えば、『街中の工事』というお話は、ボソッと言った2秒ぐらいの何気ないエピソードなんですけど、それを4コマに描き上げる力がついてきた気がします。
福田:逆に話はめちゃくちゃ面白いんだけど、4コマに落とし込むってなると難しいっていうのがあって。最初の頃に「哀川翔さんに似た洗い屋のおじさんの話」を2回に分けて描いたんですけど、ほんまはすごい面白い話なんです。でも、大ネタすぎて4コマ2回分ではさばききれなかったです。
松本:これほんまに面白いんですよ。なんかもう哀川翔さんに憧れすぎて、なりきっているんです。めちゃめちゃいい人でした。
福田:大ネタって、噓でしょ!? みたいな本当の話なんですよね。描いている自分でも「これ本当か?」と思ったりします(笑)。でも、描いている話は少し膨らませている部分もありますが、全部本当の話。ノンフィクションです!
あと、ずっとやっていても、何の話がバズるかってわからないんです。一番反響があった『ホームセンターあるある』というお話は、職人が専門的な質問を女性の店員さんにして、店員さんがそれ以上の返答したっていう、あるあるの話なんです。それが、めちゃくちゃバズって340万リーチとかになって。
意外と、たわいもない出来事をうまいこと画の表情とかに落とし込めたときのほうが、漫画的には面白いものに化けますね。