質問を無視したジョーダン・サンド教授

歴史戦が始まって約半年が経過した2015年の夏、日本政府を容赦なく非難していた張本人、ジョージタウン大学のジョーダン・サンド教授が早稲田大学で教科書問題について講演を行った。

私はその講演を聞きに行くことにした。

しかし、と言うべきか、やはり、と言うべきか、彼は教科書問題や慰安婦問題や歴史問題自体について触れることなく、リチャード・ローティという実用主義のアメリカ人哲学者の文章からの引用を持ち出して、日本を叩くアメリカ歴史学会と、叩かれる日本政府の「立場性」などについて話をしてお茶を濁した。

彼の無駄話が終わったあと、私はマイクを握って彼に直接問いただした。

「ジーグラー等の教科書に記述されている慰安婦に関する情報は、間違っているか、間違っていないか、どちらでしょうか? 間違っているのであれば、間違っている部分を訂正する義務があるのかどうか、お教え下さい」と。

彼は答えてくれなかった。

アメリカの学問などそのレベルだ。

反日運動を先導するダデン教授

しかし、サンド教授が私の質問を拒絶した態度は、もう一人の張本人であるコネチカット大学のアレクシス・ダデン教授の態度と比べればまだかわいい。

彼女にとって日本批判はライフワークである。

教科書を巡る歴史戦の「将軍」として大活躍していたダデン教授は、あたかも自分がアメリカや日本のような超大国の元首であるかのように振る舞い、安倍晋三首相と安倍政権について、毎日のように説教をしていた。

アメリカにとっての最重要同盟国の指導者に説教できる資格がなぜダデン教授にあるのか、今もわからない。

だが彼女が日本に襲いかかり、周りのアメリカの教授や共鳴する政治的活動家も動員して安倍叩きツアーを扇動していることは確かだ。

最終的にはダデン教授とサンド教授の反日コンビは、自ら書いた声明に187人の学者や活動家に署名をさせ、無礼にも安倍首相に突きつけたのだ。

問題になっている教科書のいくつかの誤りについての訂正要求を完全に無視し、むしろ質問されればされるほど獰猛(どうもう)に暴れ、安倍首相の辞任を要求した。

そこには学者らしい態度は微塵もない。

ただ、自分だけが正しいと信じ込む清教徒の絶対主義者の姿だけが露呈された。

▲学者としてのプライドさえ失った絶対主義者  イメージ:Graphs / PIXTA