2022年シーズン、オリックス・バファローズが日本一に輝き、幕をとじた日本プロ野球界。日本シリーズの前にはドラフト会議が行われ、新たにプロの門を叩く野球人たちが決まった。

来る者がいれば、去る者もいるのが“プロ”という世界。今回は、2022年シーズン限りでプロ野球のフィールドから去ることを決めた選手たちの功績をみていきたい。

印象に残る活躍をした福留孝介

まずは福留孝介だ。

国際大会でも活躍を見せた福留だが、もともとは遊撃手としてプロ入り。外野手転向後、一気に打撃センスが開眼。全盛期は走攻守が揃っているなかで、出塁率の高さも見られた。一気に台頭し始めた2002年は、首位打者を獲得して松井秀喜の三冠王を阻止。

さらに2003年と2004年は、アテネ五輪予選から本戦まで日本代表にも選出された。2006年にはWBCにも出場。大会序盤は不振によりスタメンを外れることになるが、準決勝の韓国戦では値千金の先制ホームランを放った。このホームランに関しては、今でも語り継がれている。

▲2006年のWBC準決勝・韓国戦の一打は今後も語り継がれていくだろう 写真:アフロ

メジャー移籍を挟んで阪神に入団後は、全盛期とは程遠いパフォーマンスではあったが、広い甲子園を本拠地としながら、20本塁打や打率3割を記録。復活を遂げて精神的支柱としてチームを支えた。最後は中日でユニフォームを脱ぐかたちとなったが、21世紀のプロ野球を見てもトップクラスの外野手だったに違いない。

メジャーでも活躍できるポテンシャルがあった金子千尋

次は金子千尋だ。

2000年代後半から2014年までの活躍ぶりを見ると、メジャーでも見てみたかった選手の一人。この時期のパ・リーグの投手は、ダルビッシュ有や田中将大、岩隈久志、杉内俊哉、和田毅、涌井秀章など、“エース”と呼ぶにふさわしい人材が揃っていた時期だった。

そのなかに入っても遜色ない活躍を金子は見せていた。特に全盛期ともいえる2013〜2014年シーズンは、持ち球を最大限に活かして、複数のタイトルを獲得。2013年に関しては、田中将大がシーズン無敗だったため獲得はならなかったが、2014年と合わせて2年連続で沢村賞を獲得しても不思議ではない活躍を見せた。

金子やダルビッシュが台頭してきた2000年代後半から、万能型でトップクラスの投手が増えた。タイトな日程が不安ではあるが、全盛期にメジャーに行っていれば、活躍できていたのではないだろうか。晩年は球威の下降で苦しんだが、2000年代後半から2010年代前半のパ・リーグを盛り上げた一人なのは間違いない。