セ・リーグの一時代を築いた内海哲也と能見篤史

金子がパ・リーグの一時代を築いたが、セ・リーグは内海哲也と能見篤史がエースとして一時代を築いた。

内海に関しては、2007年に最多奪三振のタイトルを獲得してから約10年のあいだ、巨人の先発ローテーションとして活躍。特に2012年は、エースに相応しいピッチングを見せて、シーズンでは最多勝を獲得し、日本シリーズでもMVPを獲得した。

能見に関しては、2009年に台頭を見せてから、阪神のエースとしてチームを支えた。2012年には初のタイトルとなる最多奪三振を受賞。晩年にはオリックスに移籍をしたが、そのオリックスではリリーフとして活躍。2021年にはリーグ優勝に貢献した。

この両左腕は2009年から多くの投げ合いを見せたが、ほかにも館山昌平や吉見一起といった各球団のエースが活躍をしていたのが、2000年代後半から2010年代前半だ。セ・リーグの一時代を築いたエースとして、次は監督・コーチとして多くの素晴らしい投手を育成することに期待していきたい。

転向後に抜群の身体能力でトップ選手になった糸井嘉男

2009年に野手としてブレイクしたのが糸井嘉男だ。

投手としてプロ入りをしたが、2006年に野手に転向。高い身体能力を活かしたプレースタイルで、当時レギュラーを張っていた森本稀哲からセンターのポジションを奪う。その後、レギュラー定着した糸井は2009年から6年連続で3割を記録する。2013年にはWBCにも出場。

オリックス移籍後の2014年には、キャリアハイの活躍を見せて、首位打者のタイトルを獲得した。年齢的なピークを過ぎても高い身体能力は健在だったため、2015年から2019年の5年間でも3度の打率3割超えを記録。通算成績を見ても、2000本安打はならなかったものの300盗塁を達成。大卒で投手から野手に転向した選手としては異例の活躍を見せた。

球史に残るアベレージヒッター・内川聖一

最後は内川聖一だ。

内川はNPBでは引退を表明しており、来年は大分B-リングスでプレーすることが決まっている。

内川の高校時代のポジションは遊撃手であり、類稀な打撃センスを買われて横浜に入団。4年目には二桁ホームランを記録するなど徐々に台頭。そして、荒削りだったなかで8年目に一気にブレイク。

右打者としてシーズン最高打率.378を記録し、首位打者のタイトルを獲得。さらに翌年のWBCのメンバーにも選出されて、打率.333、1本塁打、4打点の活躍を見せた。

その後のキャリアを見ても、2008年から2014年まで7年連続で3割を記録。ソフトバンクに移籍してからは、クライマックスシリーズで3度のMVP、日本シリーズでも1度のMVPを獲得しており、ポストシーズンから国際大会まで短期決戦の活躍も目立った。

通算打率も3割を超えており、右打者として歴代トップクラスのアベレージヒッターではないだろうか。NPBの現役時代は、鈴木誠也と自主トレしたあとに、鈴木が飛躍的な活躍を見せたことから、今後は指導者としても期待値が高まる選手だ。

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日本プロ野球界はもちろん、日本代表としても印象に残る活躍をみせてくれた選手たちの功績は、これからも色褪せることなく、語り継がれていくだろう。

プロフィール
ゴジキ(@godziki_55)
自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」「データで読む高校野球 2022」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」などで、巨人軍や国際大会、高校野球の内容を中心にコラムを執筆している。今回、新たに「WANI BOOKS NewsCrunch」でコラムを執筆。Twitter:@godziki_55