増え続けるフォロワー、その一方で・・・!?
撮られると死ぬ。
— ■140字以内の小説■方丈 海 (@HOJO_Kai) March 27, 2022
このカメラには、そんな迷信があるらしい。しかしその真相は、撮った相手をターゲットにする殺人鬼がいたというわけだ。そいつを検挙した俺は、撮られて生き残った記念すべき最初の一人だ。これで、思い残す事は無い。俺はビルの屋上から晴々とした気持ちで飛び降りた。
――初めて作品が“バスった”ときのことを覚えていますか? よろしければ、140字小説の投稿を始めて、良かったことと苦労したことを、それぞれお教えください。
方丈 とてもよく覚えております。三日三晩鳴り止まない通知と、増え続けるフォロワーさんに、心は歓喜と戦慄で満たされました。
良かったことは、やはり、多くのフォロワーさんとつながれたことです。なんの経歴も実績もない私を、これほどまでに支え、応援してくださった方々のおかげで、今に至ることができました。本当にありがたいことです。
苦労したことは、現在進行形ですが、プレッシャーかもしれません。アカウントを作った当初は、当然ながらフォロワーさんもゼロからのスタートで、失うものもなく気楽でした。ですが、現時点で11万人の方々にフォローしていただき、皆さんにガッカリされないように……と思いながら執筆し、投稿するのは、やはり昔ほど気楽にはいきません。
一方、そのプレッシャーが、より良いものを創ろうという発破にもなっているため、ありがたいことでもあります。
――140字小説はどんなふうに書いていらっしゃいますか? 着想のきっかけや意識していること、工夫などあれば。
方丈 普段の生活の中で「これは何かに使えるかも」と感じた情報やニュース、話題や出来事をメモしています。メモを見返して「これがどうなったら面白いかな?」と、いろいろなパターンを思案します。頭の中は、連想ゲームのようなものですね。そのため、メモとは全然関係の無い作品になることもよくあります。メモが無いときは、直近で体験したことや見聞きしたことをベースに、連想を重ねます。
工夫している点としては、作った作品はしばらく寝かせることです。その日にできた作品を、その日のうちに投稿することは滅多にありません。時間を置いて、記憶が薄れたころ、第三者に近い目線で見直すようにしています。アイディアを思いついた直後は面白くても、冷静に見返したら全然だった……ということは、よくあるからです。
「140字小説の魅力」=「想像力の掻き立て」
――ずばり、140字小説の魅力とはなんだと思われますか? 今後書きたいものや展望、目標についてもお聞かせください!
方丈 個人的には、“想像力の掻き立て”にあると思います。多くを語れない140字という文字数は、察しの余地を残し、想像力を掻き立てる、そんな文章と相性が良いためです。
一番の目標は、やはり、専業の小説家として安定して食べていくことです。そのためには、140字以上の作品も増やしていき、コンスタントな出版を目指していきたいです。同時に、サブスク内のコンテンツも充実させていき、目標クリアの確率を少しでも上げることが、今後の展望です。
ですが、さまざまな娯楽サービスにあふれる今の世の中、埋もれるのはあっという間です。そもそも、浮上していることに気づいてもらうのも一苦労です。そうならないための仕組み作りも、並行して必須だと考えています。各種SNSへの140字小説の毎日投稿も、ホームページ作りも、日記ブログも、全てその一環です。
今も昔もトライ&エラーの日々ですし、仮にうまくいっても、5年後10年後には、通用しなくなっているかもしれません。ですので、時流に合わせる柔軟性を忘れず、技術を磨くことを怠らず、価値ある作品を蓄積させていき、作家としての地盤を固めていくことが長期的な目標であり、展望です。
「今も昔もトライ&エラーの日々」と語る、方丈氏。赤裸々に明かされた「作家」としての工夫や展望は、「自分も書き手になってみたい!」と思う人にとって、大きなヒントになることでしょう。ますます進化し続ける方丈海さんから、今後も目が離せません!