YouTubeではプライベートなことも話してます

――TikTokとYouTubeっていう複数のメディアを使い分けられてますが、これは何か戦略があってやられていますか?

アビ そうです。TikTokとYouTubeでは視聴者の年齢層が全く違います。TikTokは視聴者の50%が24歳以下のいわゆるZ世代です。情報はライトめにしています。一方で、YouTubeのフォロワーは年齢層が高くバランスがいいので、もうちょっと深堀したものを。私に興味を持ってくれる人のために、ちょっとプライベートなお話をしたり。

――「寝落ちラジオ」ですよね。声質も穏やかですし、ゆっくり話してくださるので思わず聞き入ってしまいます。

アビ じつは、ゆっくり喋るようになったきっかけがあるんですよ。就活のときに、グループ面接の際に自分の名前をめっちゃ噛んで言ってしまったんですよ…(苦笑)。そこで「面接で緊張しないためには?」ってめちゃくちゃ検索したら、「とにかくゆっくり話せ」とアドバイスがでてきたので、ゆっくり話すようになりました。

――そうだったんですね。

アビ たぶん、学生の頃は「早く伝えないと…!」と焦っていたのかもしれません(笑)。

〇【寝落ちラジオ】作業のお供に[耳で聴く美術館]

日本のアートを海外に発信したい!

――ここまで活動されてきて、うれしかったことはありますか?

アビ 動画を視聴していただいた方からの温かいメッセージがとてもうれしいです。これまで美術に興味を持たれていなかった地方在住の視聴者さんが、私の動画をきっかけに“東京の美術館に行かれた”とメッセージをいただいたときは、本当にうれしかったです。誰かの行動に影響を与えることができたのですから。

――人の心を動かした瞬間ですものね。最後に将来の展望を教えてください。

アビ 私の発表する動画を英語化したいんです。具体的にはYouTubeで発表する動画を英語化していきたいです。日本のアートって海外から興味を持たれているんですよ。若い日本のアーティストを海外に発信していて、日本に逆輸入する展開になったら面白いですよね。

併せて海外の最新のクリエイターを紹介したい思いがあります。「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターみたいな感じで(笑)。


プロフィール
耳で聴く美術館 アビ
アートクリエイター/動画クリエイター。大学で美術教育畑で学ぶ。卒業後は素材メーカーに勤務するも、再び美術の世界へ戻りクリエイターの道へ。現在は「心が震えるアートの話をしよう」をテーマに美術館、美術品、アーティストなどを紹介。複数のSNSを横断しながらアートの新しい楽しみ方を提示する。Tiktok:@mimibi301、YouTube:耳で聴く美術館、Instagram:art_room301