ウェルカム・トゥ・カンヌ

カンヌでスヌープ・ドッグのライブに行ける!

となれば、ビシッとオシャレをし直して会場へ。
到着すると、これでもかというくらいの長蛇の列。
さすがだな〜と思いながら、私たちも最後尾に。

しかし! 待てど暮らせど一向に列が進まない…。
この状態で、スヌープのライブに間に合うのか!?

不安の中、イカついセキュリティが私たちのところへやってきて、
「君たち3人はこっちに来てくれ」と。
ああ、海外でたまにあるアジア人NGのイベントか、と…。

長蛇の列を横目に、裏口へと連れて行かれる3人。
はいはい、ここからお帰りくださいなのね、と思った瞬間、目の前に現れたのはメインステージが一番よく見えるVIP席!

えっ???

カンヌのクラブのVIP席は、たしかチャージだけで100万円。
なぜか、そこに案内された私たち。しかも、どんどんシャンパンが出てくる状況。
あまりにも突然すぎて「絶対にカモられる系じゃない!?」って勘ぐりながらも、スヌープが出てきた瞬間、爆アゲの3人はすぐに不安を忘れてステージに夢中!

無事(なのかな?)にライブが終わった瞬間、自分たちのテーブルを見ると、飲み散らかしたシャンパンや料理の残骸が。
これ、払えんの? と不安の中振り返ると、なんと、あのジェームズ・ボンドが!

「無事に入れたでしょ?」
「もしかして、あなたが手配してくれたの?」
「もちろん。楽しかったでしょ?」

ちょーーーーカッコイイんですけど!!!!!!!!!!!!

そして、彼はこのあと一緒に飲もうよ! みたいなことは言わず
こんな風に立ち去っていったのです。

「ウェルカム・トゥ・カンヌ!」

ジェントル過ぎて死んだ……。秒殺で……。

そんな素敵な出会いがあったカンヌの夜。最高の気分でホテルに帰ると、フロントのスタッフから「デポジットを返金しますね」と。次から次へ一体どうなってるの???

「ロミーから、3人の日本人の女の子が宿泊しているから、よろしく」と連絡がありましたので、と。

ロミーとは、あのジェームズ・ボンドのこと。
私たちの宿泊費(3日分)は、彼が支払ってくれていたのでした。もちろん、3人でシェアしたあのパスタの代金も。

彼は何者なの?
それは今でも謎のまま。