最近では人気YouTuberの広告収入が減っているなどのニュースも流れているが、その理由として有名人の参入などYouTuberの数が増えていることもあるだろう。そういったライバルが多いなかで、自分の動画を見てもらうにはどうしたらいいのでしょうか? パチンコ・パチスロ実践動画の革命児・1GAMEのてつ氏が、これまで経験から教えてくれました。

※本記事は、てつ​:著『パチスロ馬鹿が動画配信を始めたら再生回数が1億回を超えました』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

自分の時間を「使ってもいいかも」と思わせる

サムネイルとは、記事や動画コンテンツの内容を、大まかに把握するために使われる縮小画像のことです。「サムネ」と略されて呼ばれることが多いですね。

YouTube動画のサムネイル作成技術は、再生数を伸ばすためには必ず習得しなければならない技術であり、時には動画の内容よりも重要です。

なぜなら、これから動画を見る人は中身を知らないから。中身を知らない人に、その動画のために数分、長ければ数十分という時間を「使ってもいいかも」と思わせないと動画は再生してもらえません。

レンタルビデオ店で映画を借りるとき、パッケージの表面にまず目が留まり、続いて裏面を見て借りるかどうか判断したりしますよね。アレと同じです。

▲自分の時間を「使ってもいいかも」と思わせる イメージ:buritora / PIXTA

オススメ動画や関連動画に表示されたとき、一瞬で利用者の目を引き、興味を持ってもらうために重要なのが、サムネイル画像です。では、どういうサムネイルが有効なのかというと、動画のジャンルや内容によっても異なりますが、とにかく「派手」であることです。派手というのは画像の配色の問題だけではなく、文字の内容も含みます。

「衝撃映像」
「閲覧注意」
「決定的瞬間」
「予想外の展開」

使い古された例を挙げると、こういった煽り文句がありますが、これは今でも十分に有効な煽り文句です。

コンテンツの内容を正確に伝えることは重要ですが、なにより重要なのは「動画を再生してもらうこと」です。サムネイル画像を作成する際は、必ずそれを念頭に置いてください。

サムネイルの仕事は“楽しませる”ことではない

僕がサムネイルを作るときに参考にしたのは、高収入女性求人広告の看板です。街中でよく見かける「下品な看板」が、動画サムネイルの理想形だと思ったのです。

派手な配色と、遠目でも読めるほど強調された大きな文字。インパクトのあるイラストと、特定のターゲット(お金が欲しい女性)の目を引く煽り文句。

そういった特徴を応用して、1GAMEの動画サムネイルは作られています。よく「サムネが下品」と批判されますが、下品を目指しているので当然の批判です。

サムネイルの仕事は、楽しませることではなく興味を引いて再生してもらうこと。

動画のような「長時間拘束タイプ」のコンテンツに視聴者を誘導するサムネイルは「キャバクラの呼び込み」のようなものであると、僕はよくメンバーに説明しています。

呼び込みのお兄さんは、繁華街を歩く男性に対して「可愛い子が揃っていますよ」と呼びかけますよね。お兄さんの仕事は「お客さんを入店させること」であり、それ以降の接客は店内の女の子の仕事なのです。これはサムネイルと動画の関係性と同じです。

水商売的な例えばかりで申し訳ないのですが、この関係性を理解していないと「馬鹿正直なサムネ」ばかり作ってしまい、肝心の動画に視聴者を誘導できないのです。

呼び込みは「お客さんを入店させる」という使命があるのに、お兄さんが正直に「可愛いか保証はできませんが性格の良い子がいます」と呼び込んだとしたらどうでしょう。

その正直さに心を打たれて入店する奇特なお客さんも、なかにはいるかもしれませんが、ほとんどの人はお兄さんを無視し、隣で「スタイルもルックスも抜群の女の子が揃っていますよ」と呼び込むお店に流れてしまうことでしょう。

正直者のお兄さんは、ご新規さんを入店させる能力は低いかもしれないけれども、顧客満足度を高める可能性があるので、一概に悪いとは言い切れないと思う方もいるでしょう。

違います。顧客満足度を高めるのは店内のサービスであり、入店させることが仕事のお兄さんは、ご新規さんを呼び込むことに専念するべきなのです。役割分担が曖昧になると、せっかくのサービスを体感してもらうことなく、店前を通り過ぎられてしまうのです。

▲サムネイルの仕事は“楽しませる”ことではない イメージ:まちゃー / PIXTA

この例えで言う、呼び込みのお兄さんを「サムネイル」、店内のサービスを「動画の中身」に置き換えて考えてもらえれば、サムネイルがどう在るべきかが理解できると思います。

ちなみに、例えを「商品の広告」や「パッケージ」にしなかったのには理由があります。

それは景品表示法です。商品をPRする際、実際の性能よりも著しく優れているよう消費者に誤認させる誇大広告は、法律で禁止されています。

しかし、無料動画コンテンツのサムネイルに誇大広告の概念はありません。動画の内容とかけ離れたタイトルやサムネイルによる、いわゆる「スパム動画」はYouTubeのポリシーに違反しますが、内容を誇張して派手に見せることは禁止されていないのです。

サムネイルを作る際は、表現の誇張に対する批判など恐れず、コンテンツへの誘導を最優先してください。顧客満足度を高めるのは、あくまで動画の「中身」です。