長尺作品は人気が出てきてからのファンサービス

YouTube動画の理想的な尺は、3分から5分。長くても8分程度です。

文章コンテンツにも同じことが言えますが、人がひとつのネタに対して気軽に楽しめる限界ラインは、5分程度だと僕は考えています。それ以上の尺となると、投稿者あるいはコンテンツの中身に対して、余程の期待感がないと付き合っていられません。

近年、人気ユーチューバーの動画の尺が伸びて15分程度の作品が多い理由は、コンテンツの質が変化したというワケではなく、単純に広告が多く置けるからです。

YouTubeは10分以上の動画に対して「ミッドロール広告(中間広告)」と「エンドロール広告(終了広告)」を設置できるようになりました。10分未満の動画は先頭広告のみです。再生数が増えると広告設置量によって広告収益が激変する(単価が上がる)ため、収益を意識すると必然的に動画の尺が長くなります。

10分未満の動画と10分以上の動画では、収益が倍近く変わることもあるのです。

しかし、最初に述べたとおり、YouTube動画の最適尺は5分前後です。

これから動画投稿を始める方は、まずはひとつのネタを凝縮して5分にまとめ、多くの人に気軽に見てもらうことを最優先してください。お金の話は後回しです。

「10分以上の動画を作って広告単価を上げましょう」と言う人がいても、無視して視聴者が「見やすい」コンテンツを作ってください。

最初から欲をかいて10分以上の作品を作っても、見てくれる人が少なければ単価もクソもないのです。最初は薄利多売を目指すのが正解です。

そして、コンテンツを短くまとめるというスキルを同時に磨いてください。いかなる場合も、コンテンツは短いが正義なのです。

▲長尺作品は人気が出てきてからのファンサービス イメージ:MediaFOTO / PIXTA

人気が出てきたら「コンテンツ」よりも「人(投稿者)」に重点を置く視聴者が増えてくるので、そのときはファンサービスの意味も込めて、長尺の作品を作るのもいいでしょう。

わかりやすい例で言うと、無名の新人監督が作った3時間半の超大作映画を見たいと思うかという話です。映画の上映時間は映画館の回転率を考慮し90分から120分の尺に収まっている場合が多く、人はその尺に慣れています。

「尺に対しての慣れ」というものは、とても重要なのです。通常の映画尺に慣れた人間が、3時間半(210分)のあいだ、集中力を切らすことなく映画を鑑賞するためには大変な覚悟が必要です。少なくとも僕は、かなりの覚悟がいります。

3時間半という長時間拘束される覚悟を決めるためには、やはり作品に対する大きな期待が不可欠です。有名監督が有名俳優を起用し、莫大な予算をつぎ込んで監督生命をかけた超大作。このくらい煽られて、やっと見てみようと思えるレベルです。

これが、YouTubeでの5分前後の動画と10分超の動画の違いになります。スケールが急に小さくなりましたが、同じことなのです。

バラエティ番組を参考にした1GAMEの実践動画

さて、これまでYouTube動画の最適尺を5分前後と熱弁させていただきましたが、1GAMEのパチスロ実践動画は40分前後の作品がほとんどです。説得力が弾け飛んだかのように思われるかもしれませんが、これはパチンコ・パチスロの実践動画というジャンルにおいては「数十分~数時間の動画が当たり前」という風潮あってのことなのです。

長編のゲーム実況に近いかもしれません。パチスロの勝敗をドキュメンタリーとして見せながら、そこにタレントのトークを乗せるだけで、動画の尺は平気で1時間を超えます。なんせ収録時間(テープ尺)だけで6時間から8時間かかっていますからね。8時間の内容を40分に収めるのは至難の業です。

それだけの長時間テープを回して入れば、ウケそうなトークも多く撮れますし、パチスロ機の興味深い挙動も多く撮れます。それらを取捨選択し、本当なら2時間以上の尺でたっぷりと見せたいところを、40分前後の短い尺に押し込むのです。

ちなみに、平均尺を40分前後に設定したのは「テレビのバラエティ番組の60分尺から、CMの時間を除外すると40分前後になる」というアドバイスをもらったからです。

先ほどの映画の例からもわかるとおり、人には「尺に対しての慣れ」というものがあるので、自分の番組を「バラエティ色の強い実践番組にしよう」と決めたのであれば、テレビのバラエティ番組に合わせるのが正解であると判断しました。

そして最初のうちは、理想の40分からさらに削りに削り、30分尺で動画を作りました。とにかく「気軽に見てもらう」ことを優先したかったからです。

人気ジャンルの強豪がいるなかで、埋もれずに数字を伸ばして勝ち上がろうと思ったら、まずはほかの動画よりも尺を短くし、ギュウギュウに濃度を高めることを意識してください。

ほかに比べて尺が短く、内容は濃い。

これが人気ジャンルで勝ち上がるための最低条件だと、僕は考えます。