お化けさん、こんにちは。

子供であれば、ホラーとか心霊的なものに対して恐怖心があるはず。だけど、私の場合は、スプラッター的なビジュアル表現が多いホラー映画にも、心霊現象や怨念を題材にした日本の怖い系映画にも、怖いという感情を一切もたなかったんです。

ホラー映画を借りにいくようになった最初の頃、ゆきよは怖がって大泣きしながら観ていたけど(かわいかったぞ)、私は「これって、映画だよね」と達観的に観ていた部分もありつつ、小さい頃にやり取りしたお父さんとのある出来事をきっかけに、恐怖心を持たなくなったと思っているんです。

それは、私が幼稚園の頃。

お父さんと一緒に、マイケル・ジャクソンの『スリラー』のMVを観ていて「怖い!」と言ったことがありました(このときはまだ怖かった)。

そんな私にお父さんは、「BABIが “怖い” と思ったら、お化けさんが喜んでしまう。だから、そういうときは『お化けさん、どうしたんですか? 何かあったんですか?』と問いかけてあげなさい。そうすれば、BABIに怖いことをしてくることはないから」と言ったんです。

子供の頃って、怖い映像を見たり、怖い話を聞いたりした日の夜に眠れなくなったり、怖いことが夢に出てきたり金縛りにあったりすることがあると思うんです。私も小学生の頃に金縛りにあったことがあって、そのときは知らない女性が横に立っていました。

少しびっくりしたけれど、お父さんとの会話を思い出して
「どうしたんですか? 今夜は私の家に泊まりますか?」と話しかけたんです。

その瞬間、金縛りが解けた。

それを境に「お父さんが言っていたことは本当だったんだ!」と思って、ホラーとか心霊とか、ぜんぜん怖くなくなっちゃった!  いつしかのコルシカ島では、ぜんぜん違う意味で「こえー!!」と思ったけど……。

金縛り中に現れた女性に対し「どうしたんですか? 今夜は私の家に泊まりますか?」と声をかけた 画 : BABI