単独ライブのスタッフもDMでオファー
さて、私はこれまで会社設立など当然したことがないのだが、設立には司法書士の力を借りないといけないらしい。妻と私が同席した司法書士の先生との打ち合わせでは「新会社の業務内容はなんですか?」と聞かれた。
私は内心「なんて答えるのかな?」とドキドキしていた。会社を設立することさえ直前まで聞かされてなかったから、なおさら興味津々である。
「う〜ん、タレントの育成です」
タレントの育成? タレントの育成って、あのタレントの育成? なんかわからんけど、ダンスレッスンとか発声、そしてボイトレとかのあれ!?
不安しかない。
そしてリリースの文面である通り、私は松竹芸能所属なのである。誰を育成するというのか。
そんなこんなで、私の単独ライブが決定した。6月17日シブゲキにて「ドクン」。妻が劇場を押さえ、妻が有名作家にDMし、妻がチラシのカメラマンにDMし、デザイナーにDMし、グッズを考え、オープニング映像に使う有名アーティストにまでDMした。
DMって神様からのお告げで、みんな断れないんかな? なんでそんなことになるの?
そして私は、そのDM先の方々をほとんど知らない。それなのに、なんでそんなにサクサク進むの? ネタというかライブの方向性も全然決まっていないのに……。
一番怖いのが、妻はライブの内容についてはいっさい何も言ってこない点だ。謎の信頼……。しかし、こうなっては腹を括ってやらねばならぬ。
妻の勢いに流されています、このポーズでずっといたら、それこそ家で叱責されそうだ。ライブが近づき、我が家の緊張感はさらに増した。
「私、当日ロビーでグッズ売るから」
え? ロビー? ロビーにはきっと松竹芸能の人もいるよ?
「何がだめなの?」
強い。ロビーでグッズ売るらしいです。6月17日……安全に迎えて安全に終わりたい。もし、お時間ある方はぜひ。
(構成:キンマサタカ)