3月24日(金)・25日(土)に下北沢のライブスペース「しもきたドーン」で、お笑いコンビ・ニッキューナナの初となる単独ライブ「ビキチン」が開催された。

ニッキューナナは、マセキ芸能社所属の峯シンジとこっちゃん選手からなる男女コンビ。AbemaTVの人気番組「シモネタGP2021」で準優勝という成績を残し、YouTube登録者数30万人越え、TikTokでも29万フォロワーを獲得するなど、お笑い好き以外にもその名を広げている。

今回は、そんなニッキューナナの初単独ライブの初回24日の公演の模様をレポートする。

初単独ライブはチケット完売!

チケットは全公演完売となり、満員の客席は開演前から“いったい、どんなモノを見せてくれるのか?”といった不安交じりの期待のような、独特な熱気に包まれていた。

オープニングは夫婦のコントからスタート。急にマッサージ師を目指すと言い出した夫を演じる峯シンジ(以下、峯)に、妻のこっちゃん選手(以下、こっちゃん)が疑問を持ち、突っかかるコントだ。1本目からダッチワイフを使ったネタという、観客の期待を裏切らないスタートを見せた。

オープニングVTRに続いてのネタは「姉の下着」。ゲームをしている弟(峯)に、姉(こっちゃん)が自分の下着を売りつけようと、あの手この手で追い込むコント。

続いては「初エロ本」。初めてその手の本を買いに来た男子学生が、書店のレジ係の女性店員にたじろぎ、思いもよらないひと騒動が起きてしまうコント。

畳みかけるように次にくり出されたネタは「落語家に弟子入り」。ベテラン落語家のもとに、弟子入り志願の女性が現れる。再三断るが、女性がとある仕草を演じたところ、それが落語家の琴線に触れてしまい……、というコントだ。

ここまで、ニッキューナナの色を存分に出したコントが、これでもかとばかりに繰り出された。

そして、VTR「声かけてもらってもイイですか?」を上映。

街中にニッキューナナの二人が立ち、声をかけてもらえるかどうかを検証する映像だ。こちらの映像は後日YouTubeにもアップされるそうなので、未見の方は期待して待とう。

VTRを挟み、続いては漫才。ここで初めてコントキャラではなく、素の二人の登場だ。

▲漫才中の二人

ネタに入る前に、初単独の初回公演ということで、お客さんに質問を投げかける。

峯が「親子で来た人いますか?」と問いかけると、なんと客席から手が上がる。

これには二人も苦笑い。客席からもどよめきの声があがる。芸風からして、まさか親子で見に来る人がいるとは思っていなかったようだ。

ネタは江戸時代に実際に存在したという、高貴な女性がおならをしたときに、それをカバーする役割を担った「屁負比丘尼(へおいびくに)」をテーマにした漫才。二人にしかできない設定の漫才に客席も沸いた。

ネタはコントに戻り、「クイズ大会」。高校生クイズ大会の決勝に挑む二人が、早押しクイズに挑戦。そのクイズの答えが「ある言葉」ばかりで……というコント。音響を巧みに使ったネタが新鮮だった。

コント「クイズ大会」で制服に身を包む二人

続いては、「ジム」。トレーニングジムに入ったばかりの若者(峯)が、長年このジムに通い続けている女性(こっちゃん)に絡まれるというコント。珍しく(失礼!)下ネタが絡まないネタでニッキューナナの新たな可能性を見せる。

再び、VTR「ガチで占ってください!」を挟む。二人が本物の占い師にガチで占ってもらった映像。もしかしたら、この二人は出会うべくして出会ったのかもしれない……そう思わせるような占い結果となっていた。こちらも後日YouTubeで公開予定だそうだ。

8本目のネタは「ピンクとブルー」。戦隊ヒーローのブルー(峯)とピンク(こっちゃん)が基地で会話をするコント。ピンクとレッドが付き合っているのではないかと、ブルーが執拗に突っかかっていく。いつまででも見ていられそうな設定のネタだった。

続いて、「AV引退会見」。この作品を最後に引退すると言いつつ、何度も作品を出し続けるセクシー女優(こっちゃん)の会見で、記者(峯)が質問するというコントだ。暗転するたびに出される凝った作りのパッケージ写真も見どころであった。

最後のネタは「伝説のバレー選手」。とある高校のバレー部に、伝説のバレー選手(峯)が指導にやってくるが、生徒(こっちゃん)に対する指導がおかしい……というコント。じつにニッキューナナらしいネタで最後を締めくくった。

▲最後のネタ「伝説のバレー選手」のワンシーン

演じられたネタは全部で10本。盛りだくさんで観客も大満足の初単独ライブとなった。

エンディングでは、峯から「2本目くらいで喉を飛ばしました」という衝撃の告白も。それでも演じきった峯の芸人魂には拍手を送りたい。

その後、こっちゃん選手が描いた直筆イラスト色紙当選者の抽選会が行われるなどして、公演は終了。終わる際には、会場は大きな拍手に包まれた。

▲エンディングの二人