国家の命運を外国に委ねるな! 独立国としての「フリーダム(freedom)」を、外国と官僚に依存した戦後体制によって奪われている日本。国際情勢や国内の諸問題を通じて、真の「フリーダム(freedom)」とは何か? 『日本は誰と戦ったのか』(ベストセラーズ)で第1回日本再興大賞を受賞、第20回正論新風賞を受賞した江崎道朗氏が日本再建の道はどこにあるのかを示す!
米軍をアジアから追い出すために連携する日韓のサヨクたち
韓国との関係は、いわゆる慰安婦問題をきっかけにこじれています。
平成27(2015)年12月、安倍政権は韓国の朴槿恵政権との間で、いわゆる慰安婦問題について合意し、日本政府がお見舞金として10億円を出す代わりに、韓国政府も二度と、慰安婦問題を持ち出さないと約束しました。
ところが、韓国のマスコミは、日本以上にひどい偏向ぶりで、日本だけでなく、アメリカを徹底的に批判する一方で、北朝鮮との関係改善には熱心なのです。
そのため、韓国の朴政権は慰安婦合意の後、「右翼・軍国主義の安倍政権と取引をした売国政権だ」と韓国内でつるし上げられて反日世論に屈し、ソウルの日本大使館前の「慰安婦」像は撤去されませんでした。
その後、2017年5月10日に発足した文在寅政権は、朴政権よりも左の反日政権です。
文政権は、(1)高高度防衛ミサイル防御網(THAAD)の配置を取りやめる (2)日韓慰安婦合意と日韓軍事情報包括保護協定を無効にする (3) (北朝鮮との友好のシンボルである)開城工業団地を復活する――という方針を打ち出しました。
高高度防衛ミサイル防御網は、中国や北朝鮮のミサイル攻撃を防ぐために配置するもので、実は中国政府は配備に反対していました。そのため、韓国のサヨク・マスコミも、このTHAAD配置に反対していて、もしこの配置を取りやめるとなれば、米韓同盟も揺らぐことになります。
確かに韓国は面倒な国ですが、韓国の反日反米化はもはや阻止できず、日米韓の軍事同盟が持たなくなれば、韓国は明確に敵国となり、対馬海峡が防衛ラインになります。
しかも、韓国が敵国になれば、韓国に中国軍の基地ができる可能性が高いのです。その第一候補は、対馬海峡に近い済州島です。
実は沖縄の在日米軍基地反対闘争に、多くの韓国人(朝鮮人)が関与しています。アメリカ海兵隊基地の移設先である沖縄県名護市の辺野古には、韓国語で書かれた抗議の垂れ幕が貼られています。
私はこれまで十数回、沖縄に入り、現地調査をしてきましたが、沖縄で反基地闘争をしている韓国系の活動家たちが韓国の済州島においても韓国海軍の基地建設反対運動を繰り広げていることは意外と知られていません。
平成23(2012)年5月14日、普天間基地に隣接する宜野湾市民会館で「韓流・ちむどんどん2012~アジアから基地をなくす国際連帯沖縄集会」が開催されました。
主催者は「沖・韓民衆連帯」という名称ですが、実際は新左翼の「共産主義者同盟(統一委員会)」が主催したようです。新左翼は総じて中国共産党に対して親近感を抱いており、その活動方針も中国共産党の世界戦略に呼応する傾向があります。
この「アジアから基地をなくす国際連帯沖縄集会」では、韓国人の活動家が「日米韓三国による軍事的連帯強化反対」という立場から、済州島の韓国海軍基地建設反対運動についての報告をしていました。
実は済州島のこの海軍基地を、韓国軍だけでなく、米軍も使用する計画でした。そのため日韓のサヨクたちが連携し、沖縄と済州島で基地反対闘争を仕掛け、米軍をアジアから追い出そうとしているのです。
※本記事は、江崎道朗:著『フリーダム 国家の命運を外国に委ねるな』(展転社刊)より、一部を抜粋編集したものです。