3割が経験している「お砂糖」。ねむさんは?
――原住民のあいだで使われている特別な言葉などがありますか?
ねむ 「お砂糖」「お塩」みたいな恋愛がらみの言葉があります。「お砂糖」はカップルができること。“甘い関係”ということからきています。「お塩」はその反対の意味で、カップルがお別れすること。あえて隠語を使っているのは、現実の関係性とは別だよ、ということを含ませるためなのかなと。
“甘い関係”を公表するかは人によりますね。公表する人は「〇〇さんとお砂糖関係になりました~」みたいな伝え方をするんですけど。Twitterとかで「お砂糖関係」とかで検索してみると、雰囲気がわかると思います。
――ちなみに、ねむさんは「お砂糖」をしたことは?
ねむ いい質問ですね(笑)。まぁ告られたことはありますけど……秘密です。だいたい住民の3割ぐらいが「お砂糖」をした経験があるようです。これはシンプルに、メタバースで過ごす時間に比例して恋愛経験が増えている感じ。現実世界でも、仕事とかでいろいろな人と巡り合っていくうちに誰かを好きになっていく、とういうのは当然のようにあると思うんですけど、メタバースの世界でも同じことが起きるのかなと思います。
――女性のアバター同士で恋愛するパターンが多いのでしょうか? 中の人が男性で、女性アバターを使っている人が多いそうですね。
ねむ はい、そのタイプ同士が割合で言うと一番多いです。でも、本当にいろんなパターンがあって。男の子タイプのアバターの人と付き合っている人もいますし。面白いところで言うと、中の人が男性の美少女と、中の人が女性のイケメンアバターが付き合っている男女逆転バージョンみたいなのもあります。
親切な「案内人」がいるので初心者も安心
――初めてメタバースに入る人は、どうやって知り合いをつくればいいんでしょうか。
ねむ よくあるのが、イベントとかに行って共通の趣味とかで仲良くなるパターンです。音楽とか、英会話とかいろいろなイベントがあります。「初心者案内」と言って、初心者を案内するために待機している親切な人がいるんですよ。そういう人が友達になってくれます。
――どんなプラットフォームや機材を選べばいいでしょうか?
ねむ 人口が一番多い「VRChat」が友達つくりやすいし、イベントも多いので圧倒的にオススメですね。世界に没入してアバターの姿になっていろんな人と出会う、というところがメタバースの真骨頂だと思うので。スマホで入れるメタバースもあるんですけど、それだとあまり臨場感が伝わらなくて……“こんなものか”と思われてしまうかもしれません。
機材は、今は4万円台で「Quest 2」とか高性能なVRゴーグルがあるので、そういうのを買えば問題なく楽しめます。あとはVRChatのゴーグルにVRアプリをインストールして、アカウントをつくってログインするだけ! でも、何も考えずに入ると、外国人しかいないところに迷い込んでしまうこともあるので、さっき話した「初心者案内」の人がいるような場所に行ってみてください。