居酒屋で選ぶべきツマミは?

A.揚げだし豆腐
B.焼き鳥

正解は、焼き鳥です。

「ヤセる」という目標を掲げつつお酒を楽しみたい場合、ツマミは何を選べばよいのか考えていきましょう。

「アルコールで太る原因は、お酒ではなくツマミ」とはよく指摘される事実です。家飲み、外飲み、どちらにも共通するお勧めのツマミは次の通りです。

■積極的に摂りたいツマミ

  • 魚の刺し身
  • 貝類
  • 焼き鳥(つくねではなくレバー、タレではなく塩を選ぶ)
  • カルパッチョ
  • 枝豆
  • キノコ類のお通し(和え物など)
  • 海藻類のお通し(サラダ、酢の物など)
  • 納豆
  • 豆腐(冷奴、サラダなど)
  • キムチ

上に挙げた食材の多くに共通するのは、比較的タンパク質が豊富という点です。

アルコールを肝臓で分解する酵素は、タンパク質から作られているので、タンパク質の補給は不可欠です。またビタミンB群やビタミンCなどのビタミン類、マグネシウムや亜鉛などのミネラル類も、アルコールの分解を助けてくれるので、このような栄養素を含むツマミを摂りたいものです。

魚介類、特に刺し身や貝類、ワカメなどはお勧めです。「二日酔いにはしじみの味噌汁がいい」と言われますが、その通りです。

▲居酒屋で選ぶべきツマミは焼き鳥 イメージ:taka / PIXTA

反対に、避けたいツマミもあります。

まずは果物です。ヘルシーで「酔い覚ましにいい」というイメージがあるかもしれませんが、果物に含まれる「ショ糖」は白砂糖と同じ成分であるため、血糖値を上げます。「果糖」も、速いスピードで肝臓に中性脂肪として蓄えられ、脂肪肝を引き起こすきっかけとなります。

揚げ物系のメニューも厳禁です。天ぷらやフライなどをツマミにしてお酒を飲むと「さらにお酒が欲しくなる」という悪循環に陥ることさえあります。また、アルコール摂取時は通常よりも脂質を吸収しやすくなっています。

いくら「夜は糖質制限だけでよい」とはいえ、過度に脂質を摂るのは好ましくありません。

「揚げ物系」を禁じると、がっかりされる男性諸氏が多いでしょう。そんなガッツリ肉食系へのお勧めツマミが焼き鳥です。焼き鳥は面白いことに、どんな「部位」と「味付け」を選ぶかによって摂取できる栄養価が激変するのです。

まずお勧めしたい部位は内臓のレバーです。

レバーはタンパク質はもちろん、免疫力を高めてくれるビタミンA、鉄に富んでいます。その豊富さは神食材と呼んでもよいほど。数値で言うと鶏のレバーのビタミンAは、100グラムあたり1万4000マイクログラム。鉄は9ミリグラム。これは他の食品よりも並外れた多さです。30~49歳男性の1日の推奨量を見てみましょう。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、ビタミンAは900マイクログラム、鉄は7.5ミリグラムが推奨量です。

また「ヤセる」ことを目指すからには、味付けにもこだわってください。

甘辛いタレは、砂糖やみりんといった糖質を主体に作られています。せっかく低糖質な肉を食べていても、タレまみれではその良さが相殺されてしまいます。甘辛いタレではなく、ミネラルが摂れる塩味を選びましょう。

塩には糖質の代謝やタンパク質の合成を助ける酵素の活性に欠かせないミネラルが、多く含まれています。つまり、塩焼き鳥1本で、タンパク質とミネラルが同時摂取できることになります。

しかし、店によってはミネラルを含まない塩化ナトリウムだけの塩を使用していることも多いです。こういった塩はむしろ体には良くないので、控えめで注文しましょう。

▲酒のツマミは焼き鳥はOK! から揚げはNG! イメージ:sasaki106 / PIXTA

最後に「極悪の食」についても触れておきましょう。

「今夜は軽く、コンビニのから揚げで家飲みしよう」。本人は「ささやかなツマミ」と考えているかもしれません。しかし、コンビニのから揚げは“極悪”食材で、その悪影響はちっとも“ささやか”ではなく、全身にまで及びます。