舞台では嘘をつかずに本音で向き合いたい!

――こんねきさんはすごく独特な芸風だなと感じましたし、皆さんもそう思ってると思うのですが、現在のスタイルになったきっかけはありますか?

こんねき 私の中で世間に向けて言いたいことが多すぎるのが、現在のスタイルにつながっている気がします。とりあえず言いたいことをみんなが聞いてくれたら、それだけで満足なんです。わかりやすく言うと、大きな声でネタツイをしている気分。

――なるほど! これまでいろんなライブで見て、とにかく本当に自分が言いたいことを詰め込んでいる感じがしました。フルスイングでぶっ飛ばしてる感じ。

こんねき まさにそうなんですよ。上手な漫才って嘘っぽいと思っちゃうんです。私は超下手だから本当なんですよ。私の信念としてはみんなに嘘つきたくない。気軽に「なんでやねん」とか言っていたら、それはもう嘘。

――あははは! 嘘をついている自分が恥ずかしくなるというか。

こんねき そう! 私の話を3~4分も聞いてくれる環境ってないから、私のことを聞いてくれる場所では嘘をつかずに本音で向き合いたいと思っているんです。

――ネタはどうやって生み出しているんですか?

こんねき 考えてしまったら嘘になってしまうので、とにかく自分のご機嫌をとることを意識していて、機嫌を損ねないようにして時が来るのを待っています。別に思いつかなくてもいいんです。思いつかなきゃいけないという使命感を持ってしまうと、思い浮かばないときに落ち込んでしまうじゃないですか。

――じゃあ、ネタで悩むことはあまりないのでしょうか?

こんねき 明日のネタがなくて悩むことはあるんですけど、舞台に立ってネタがなかったことはないですし、なんとかなるだろうという気持ちで楽観的に考えています。

――それは天才の発言じゃないですか。

こんねき そんなことないですよ(笑)。フフフ。

▲天才と言われて笑みがこぼれる

――『脱力タイムズ』の出演、かなり反響が大きかったと思うのですが?

こんねき 家でゴロゴロしていたら、携帯がうるさくて見てみると、友達からたくさん連絡が来ていて、それでテレビに出ていたことを知りました。放送されるのは知っていたんですけど、放送日って今日だったんだ、みたいな(笑)。

――もっと喜んだり、録画したりするものなのでは?

こんねき 実家のレコーダーも壊れているので、まあいっかみたいな(笑)。

――親にも報告しなかったんですか?

こんねき すっかり忘れていました、ふふふ(笑)。そもそもいっぱい映っていると思っていなかったので。思っていたよりも映っていて恥ずかしかったですね。

――趣味の欄に書いてある、ぬいぐるみの芸能事務所運営というのが気になっている方も多いんじゃないかと思います。詳しく聞かせていただけますか?

こんねき もちろんいいですよ。このチワワのぬいぐるみは5歳から持っていて、18年くらいほとんど毎日持ち歩いているんですけど、それだけ一緒にいると最初の頃と比べると見た目もボロボロになってくるじゃないですか。それを見て、こいつは時間を可視化しているなと思って。

▲ぬいぐるみの名前は保坂チワ

――めちゃくちゃ深くて素敵な言葉ですね。

こんねき 小さい頃から何気なく持っていただけなんですけど、目に見えるように時間を表現している感じがするなと。その変化に愛おしさを感じてしまって、いつかこの子が女優として活躍することができたら、家にいながらお金稼げるんじゃないかと思って、芸能事務所を設立しました。

――そのぬいぐるみとはどこで出会ったんですか?

こんねき 5歳のときに脱腸で入院したんですが、5歳ながらに怯えていたら、お母さんが「ぬいぐるみを買ってあげるから、手術頑張って」と言われて、病院の売店に並んでいた、このチワワに出会いました。

もっと詳しく言うと、チワワのぬいぐるみはたくさん置いてあったんですけど、適当に取ろうとしたらお母さんに止められてしまって。「一番美人だと思ったものを選びなさい」と言われて、選んだのがこのチワワなんです。だから、普通のぬいぐるみよりも愛着が湧いてしまって手放せなくなってます。