鼻血のシーンが大変でした

――本作を通して何か印象的なエピソードはありますか?

松村「鼻血のシーンがとにかく大変で……。今の時代だとCGでやることも多いと思うんですけど、監督のこだわりもあって本物でいきたいということで、メイクさんが私の鼻に鼻血を詰めて、撮影の直前までずっと上を向いてヨーイドンになったら顔下げる、みたいなアナログのやり方で撮影をしていたので、鼻血を出すタイミングが難しかったです。映画では2回くらい鼻血を出したんですけど、2回とも30カットずつ撮り直しましたね。もうとにかく大変でした」

――何気ないシーンだったので伝わりづらい部分ではありますが、かなり苦労されたんですね。ちなみに撮影現場はどんな雰囲気でしたか?

松村「明るくて居心地のいい撮影現場でした。ジャンボさんがよく喋ってくださる方だったのですが、場の空気を盛り上げようと常に気遣ってくれて現場のムードメーカーでしたね。豊田さんはイメージと違って変わった方というのがびっくりしました。一見、正統派のイケメンみたいな感じの方なんですけど、中身がとても変わっていて面白い方で。ジャンボさんと2人で保護者みたいに豊田さんのことを見守っていました。ジャンボさんも“基くん、それは変なんだよ”って言っているのを聞いて、私も横でうんうんってうなずいていました(笑)。お二人とも初共演だったんですけど、初めてとは思えないくらい楽しく撮影できました」

 

――今回は岡山での撮影ということで、劇中には岡山の街並みが登場しますね。

松村「岡山は晴れの国と言われているのを知っていたので、めっちゃ暑いんじゃないかと思っていたんですけど、過ごしやすい気候で気持ちよく撮影できました。とにかく岡山の皆さんが本当に素敵な方々ばかりで。実際に岡山の方に撮影に協力していただいたんですけど、皆さんに何度も桃を勧められました。今年の桃は出来がいいから絶対食べてくださいって(笑)。すごく気さくな方ばかりで楽しかったです」

――岡山にはだいぶ馴染めたんですね。

松村「馴染めましたね。赤のジャージ姿で撮影していると岡山では目立ってしまうので、撮影している噂があちこちで流れていたみたいだったのですが、街行く人がすんなりと受け入れてくれたのですごいやりやすかったです。岡山がすごく好きになりました。ご飯も美味しかったし(笑)」

――アイドルを武道館へ連れて行くという作品ですが、松村さん目線で今後、舞菜にはどうなっていってほしいですか?

松村「私の中ではタイトルにもあるように、明確な目標があったほうが応援しやすいというか、みんなでそれに向かって頑張ろうという気持ちはあるんですけど、私としてはアイドルちゃんの幸せが全てなので、それぞれのアイドルちゃんが満足して生きてくれていたら、それで十分ですね。言葉がうまく見つからないんですけど、悩まずに今の自分に自信を持って、自分が一番なんだと思って活動していってほしいです」