乃木坂46時代はかけがえのない時間だった

――映画のテーマにちなんで、松村さんの推しているものはありますか?

松村「うーん……枕ですね。私、うつ伏せで寝るので今までは枕がいらない人生だったんです。1年前になるんですけど、もうこの枕が手放せないと思う枕に出会ってしまって。西川株式会社さんがお医者さんと共同で作っている枕なんですけど、それが自分にとてもよくフィットするみたいで」

――うつ伏せで寝るというのは本当だったんですね。やっぱり枕を使うと起きたときの疲れの取れ具合は違いますか?

松村「違います! 寝た瞬間にフィットするのがわかりますし、首とか肩もあんまり凝らなくなったような気がします」

――ちなみに、うつ伏せで寝るのはいつからなんですか?

松村「それがわからないんです。そもそも仰向けで眠れた記憶がなくて……。仰向けで寝ようと試みた時期はあるんですけど、やっぱり寝られないんですよね。でも、それこそ少し前に急に肩が凝るようになってしまって、しばらく整体に通っていたんですけど、その枕に出会ってから改善しました。それ以来、枕に愛を伝え続けています(笑)」

――2021年に乃木坂46を卒業されてからもうすぐで2年が経ちますが、ソロで活動することには慣れましたか?

松村「もう慣れましたね。ずっと友達いないタイプだったので、楽屋に1人でいるのもそんなに苦痛じゃないというか。友達といないと寂しいみたいなタイプでもないし。でも、今思うと約束しているわけではないのに、毎日楽屋に集合して、他愛もない話をしていたあの日々は、すごいかけがえのない時間だったなって。学生時代と同じような尊さがあったんだなというのは卒業してから感じていますね」

――グループにいたときの雰囲気が恋しくなることはありますか?

松村「ありますね。卒業してから、より後輩ちゃんのことを褒めたくなりました。乃木坂46の1期生ってお互いのことをすごい褒め合ってたんですよ。”めっちゃ可愛い”とか、”今日の髪型最高だね!”とか、”どうしてそんなに天才なの!?”みたいな感じで。一方で、後輩たちってあんまりお互いに褒め合うイメージがなくて、それこそ3期生ちゃんとか4期生ちゃんって”私なんて……”と思っている子が多かったんです。

でも、だからこそ1期生たちが率先して”今日も可愛いね”と伝えてあげることで、グループのモチベーションを上げていた部分もあるのかなと思っていて。だから、今も楽屋に行って、“あなたたちは天才です。今日も生きてて偉い!”というのを伝えてあげたいなって、たまに思います。乃木坂46が音楽番組に出演しているとできるだけ見るようにしているのですが、後輩ちゃんの姿を見るたびに”うちの子たちが一番!!”という気持ちになります」

――逆にソロ活動のやりがいはありますか?

松村「やったことがダイレクトに返ってくるというのは強く感じますね。例えば、番組に1人で出ると、ディレクターさんから”今日はここが良かったですよ”とか言われることがあるんですけど、そういう話す機会もグループにいたときには全くなかったというか、自分たちでやっていて正解がわからないまま頑張っていたことが多かったんです。でも1人になって、たくさんアドバイスをいただけるようになったのはやりがいを感じますね」

――そのアドバイスを生かして次につなげていくことも多い?

松村「そうですね。これまでは時間が限られていたので、現場に行って撮影してすぐに帰るみたいなスケジュール感だったのが、ソロで活動するようになってから空き時間に、その現場にずっといることが増えて、先輩の女優さんと話す時間も増えました。今までよりも活動が明確化されている感覚はありますね」

――昨年の「10th YEAR BIRTHDAY LIVE」では、松村さんを含めた1期生が参加して初めて5期生とも顔合わせましたよね。一ノ瀬美空さんが松村さんに会えて号泣したというエピソードもありました。

松村「うれしかったですね(笑)。私なんかを見てくれて泣いてくれるんだって。私ってそんなに喜んでもらえる存在なんだというのがわかってモチベーションになりました。2021年に卒業してからずっと1人で活動していて、これまで当たり前だった握手会もやっていなかったので、改めて握手会を通してファンの方に褒めていただいたり、他のメンバーに褒めてもらったりするのが、自分にとって活動の糧になっていたことに気がついたんです。だからこそ、メンバーに久しぶりに会って、かずみんとかが“久しぶりに会うと、こんな顔が小さくて芸能人みたい”と褒めてくれると、それだけでうれしくなりましたし、グループの雰囲気が懐かしくなりました」

――そのときは5期生とは何か話されたんですか?

松村「全然できなかったんですよ……。でも、キャッチコピーがあったほうが便利だよという暗示をかけておきました。私は凡人で特技も何もなかったときに、“さゆりんごパンチ”みたいな必殺技やキャッチコピーに助けられてきた部分が大きかったので、5期生も困ったら試してみてほしいなという思いを込めて念を送りました」

――直接言うのではなく心の中で思っていたんですね(笑)。

松村「そうなんです(笑)。最初は恥ずかしいと思うんですけど、あったほうが役に立つと思うので、5期生にはそれぞれのキャラに合わせて持ってほしいですね」

――ご存知かもしれないのですが、一ノ瀬さんはすでに「み〜キュンキュン」という必殺技を持たれていて……。

松村「そうなんですか!? それ、めっちゃ可愛いですね!」

――それこそ松村さんをはじめ、先輩方の姿を見て真似している部分もあるんじゃないですか?

松村「そうだといいな〜。私の心のテレパシーを受け取っていただけていたらうれしいです(笑)」


プロフィール
松村 沙友理(まつむら・さゆり)
1992年8月27日生まれ。大阪府出身。身長164cm。血液型=O型。乃木坂46の1期生として2012年2月にデビュー。2021年7月に乃木坂46を卒業、女優・モデルとして幅広い活動を展開中。
【映画情報】
『劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ』
5月12日(金) 新宿バルト9 他全国ロードショー
出演:松村沙友理、中村里帆、MOMO(@onefive)、KANO(@onefive)、SOYO(@onefive)、GUMI(@onefive)、和田美羽、伊礼姫奈、あかせあかり、 片田陽依、西山繭子、豊田裕大、ジャンボたかお(レインボー)
原作:平尾アウリ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(COMIC リュウ WEB /徳間書店)
監督:大谷健太郎
脚本:本山久美子
音楽:日向萌
主題歌:@onefive「Chance」(avex trax)
製作:「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会
配給:ポニーキャニオン
© 平尾アウリ・徳間書店/「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会