ホンモノの超一流選手かの見極め方

WBCに出場したシーズンは、怪我人や不調などがあげられるなかで、活躍した選手も多くいる。

開幕前からプレッシャーがかかるなかでプレーをしたあとにシーズンを迎え、その状況でも活躍ができるかどうかは、ある意味でホンモノの超一流かを見極める材料になるだろう。

2006年大会と2009年大会に出場したイチローは、シーズンでも文句なしの活躍を見せた。2009年に関しては胃潰瘍で離脱があったものの、症状自体は年明けからあったことを本人が語っている。そんな状態でも、シーズンは打率.352を記録し、首位打者争いをした。

イチローと同様に2006年、2009年大会に出場しMVPに輝いた松坂大輔は、2009年以降の怪我のイメージが強いためにWBCの影響と報道されているが、2006年はキャリアハイの活躍を見せてオフにメジャーリーグ挑戦を発表した。

また、福留孝介や岩村明憲も2006年、2009年の2大会に出場をしているが、福留は2006年にキャリアハイを記録。岩村は2009年の大怪我のイメージが強いが、離脱前まで打率.290を記録していた。2006年は3割30本塁打を記録。

2009年大会でベストナインに輝いた岩隈久志も、沢村賞を獲得した前年ほどではないが、13勝6敗3.25とまずまずの成績を残した。

3大会に出場した杉内俊哉は、2006年はシーズン終盤にバテたものの、2009年は最多奪三振を記録。2013年も二桁勝利を記録しリーグ優勝に貢献。

同じく3大会に出場した青木宣親は、2006年、2009年と3割越えを記録。2017年も打率.277を記録しており、まずまずの結果を残した。

2009年、2013年の2大会に出場した内川聖一と阿部慎之助も、リーグトップクラスの成績を残している。田中将大は2013年に24勝0敗というアンタッチャブルレコードを樹立し、球団初のリーグ優勝・日本一に大きく貢献。

2013年大会でベストナインを獲得した前田健太は、2度の登録抹消があったものの、最優秀防御率を獲得し、チームを初のクライマックスシリーズ進出に導いた。

2017年大会、エースとして投げていた菅野智之はキャリアハイで沢村賞を獲得。千賀滉大もフル回転の活躍を見せ、シーズンでは最高勝率を獲得した。平野佳寿も2017年のシーズンで活躍を見せ、翌年メジャーリーグに挑戦した。

このように、トップクラスの選手はWBCが開催された年も素晴らしい活躍を見せているのがわかる。

防御率1点台の成績を残す大谷翔平と佐々木朗希

WBCに出場した選手を見ると、大谷翔平と佐々木朗希は開幕からトップクラスの成績を残している。

まず大谷の活躍には素晴らしいものがある。特に、投手として見ると勝利数や防御率、奪三振の全ての部門でリーグTOP5に入る活躍を見せている。(※日本時間4月30日時点)

WBCの疲れがあるものの、二刀流でありながらここまでの成績を残せるのは、大谷自身のコンディション管理能力の高さがあるからだろう。

有名な話になるが、大谷の平均睡眠時間は10〜12時間と言われている。さらに、ストイックな食生活をしていることが、今の活躍につながっていると言っても過言ではない。

技術的な部分になると、トップクラスのストレートとスイーパーにスプリット、カーブ、ツーシームなどを投げており、さまざまな球種をバリエーション豊かに操れるのも強みである。

まだ4月が終わった段階だが、今シーズンは個人タイトルはもちろんのこと、サイ・ヤング賞、2年ぶりのMVP獲得に期待していきたい。

次に佐々木だ。4月終了時点で3勝と38奪三振、防御率1.00はリーグトップ記録。昨シーズンと同様に素晴らしいスタートを切った。

さらに、4月28日のオリックス戦は165km/hを記録した。今シーズンは4年目ということもあり、初のタイトル獲得が期待される。

佐々木の好調の要因は、WBCでダルビッシュ有から学んだスライダーを活用していることが大きいだろう。

そのため、今後はこのスライダーを完全に操れるとなれば、鬼に金棒の状態になることは間違いない。

ポテンシャル自体は、歴代最高の投手になれる逸材のため、5月以降もバテずに投げきれれば沢村賞獲得も夢ではないだろう。