山本由伸・岡本和真・吉田正尚・中野拓夢は結果を残す

4月に佐々木や高橋光成に投げ負けたものの、防御率1点台を記録しているのが山本由伸だ。奪三振率に関しては、リーグ2位の10.30を記録しており、期待通りの活躍を見せている。

山本に関しては、今シーズンキャリアハイが予想される佐々木と高橋との対戦があった影響で2敗しているのもあり、5月以降は勝ち星も伸びていくだろう。

山本に関しては、2021年にシーズン中に開催された東京五輪に出場したが、この年はキャリアハイの成績を残し、初の沢村賞を獲得している。そのため、国際大会の影響を感じさせない対応力の高さは今シーズンも見られるのではないだろうか。

打者では、岡本和真が開幕から素晴らしい活躍を見せている。4月終了時点で、打率3割以上を記録しており、4月下旬ぐらいからはタイムリーも出始めた。チームの主軸である坂本勇人が衰えを隠せないなかで、新キャプテンとして躍動している。

WBCでは本職の三塁手を守る機会がなかった岡本だが、その影響も感じさせない活躍で3年ぶりのリーグ優勝に期待していきたい。

吉田正尚は異例のメジャーリーグ移籍1年目でありながら、WBCにも出場した。一時期はヒットが出ない時期もあったなかで、4月中旬から調子を上げていった。4月末までに8試合連続ヒットを記録するなど、コンタクト力の高さは見受けられている。

▲4月中旬から調子を上げている吉田正尚 写真:AP/アフロ

WBCでは源田壮亮が試合に出られないあいだに見事な活躍を見せた阪神の中野拓夢も、3割近い打率を残している。今シーズンから遊撃手から二塁手にコンバートをしたが、問題なく活躍を見せている。

怪我などで離脱や不調の選手も・・・

毎回WBCに出場をすると、例年よりも前倒しで調整することや、シーズン開幕前に国際大会をすることで疲労困憊になる選手は多い。

今シーズンは、すでに山田哲人や山川穂高、源田壮亮、湯浅京己、宇田川優希が離脱した。また、昨シーズン三冠王に輝いた村上宗隆も、打率1割台で三振数は両リーグワーストを記録している。また、中村悠平も打撃に苦しんでいる。

ただ、山田や山川はもともと好不調の波が激しい選手だ。村上に関しては、昨シーズン終盤から粗さが目立っているのも事実である。

湯浅は昨シーズン初のフルシーズンを経験し、WBCの疲れも重なった影響もあるだろう。また、宇田川に関してはフルシーズンを経験していないことも影響しているだろう。

そのため、完全にWBCの影響で怪我をしたのは、源田ぐらいと言ってもいいだろう。

疲労が少なからずあるなかで、WBCでも二刀流としてどの選手よりも稼働していた大谷がトップクラスで活躍していることを踏まえると、普段からの管理能力の高さも必要なのがわかる。

現在離脱している選手や不調の選手は地力はあることから、徐々に調子を上げていくことに期待していきたい。


プロフィール
ゴジキ(@godziki_55)
自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」「データで読む高校野球 2022」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」などで、巨人軍や国際大会、高校野球の内容を中心にコラムを執筆している。今回、新たに「WANI BOOKS NewsCrunch」でコラムを執筆。Twitter:@godziki_55