緊張できないことで時間がなくなる

私は以前、「ストレス刺激検査」という面白い実験を実施しました。車のクラクションと同じ大きさの音を聞かせてストレスを与えたら「緊張のホルモンが分泌されて新陳代謝が上がる!」という仮説を証明するためにやってみたんです。

ところが「プァー!」とクラクションのような爆音を聞いたら「あれ? ストレスホルモンの分泌が下がってしまった!」と逆に新陳代謝が下がってしまった。このことから「あ! だから時間がなくなるんだ!」ということが見えてきます。

普通の人だったら「ストレス刺激」でストレスホルモンが分泌されて新陳代謝が上がるから「緊張すればするほどテキパキ動ける」となります。逆に下がってしまう人だと「時間がなくなる」という感じであっという間に時間が過ぎてしまうから「あーあ!」となってしまう。

抑うつ的な人にストレス刺激検査をやってもらったら、普通の人とはストレスホルモンの上がり方が違うから「だから時間がない」となって不平等な感覚になってしまうのかな? と思っていたんです。

私なんて運動会の50m走では「スローモーションのように走っている!」とみんなから馬鹿にされていましたから。普通は「バン!」という鉄砲の合図で緊張のホルモンが分泌されて「おりゃー!」とものすごいスピードで走ることができる。それが私の場合は逆で「緊張のホルモンが出なくて新陳代謝が悪い」となるからスローモーションになっていた。

緊張できないことで時間がなくなる イメージ:PIXTA

たしかにそれで私の「時間がない」の説明がある程度つくのかもしれませんが「なぜ、先のことばかり考えちゃうの?」ということはわからないままです。

ストレス刺激に対して、普通の人とは違ったストレスホルモンの動きをする人たちは「時間がない」と悩んでいるのですが、やっぱり私と同じように「先のことを考え過ぎちゃう」と未来のことばかり想定して、思った通りの最悪な結果になる傾向があります。