余計な一言を言ってしまう──。気をつかっているつもりなのに空気が読めないと言われる──。もしかしたら自分はアスペルガーかもしれないと、悩む人は意外に多いとも言われています。日々の生活の中で起こる、ちょっとしたうまくいかないことへの対処法を、精神科医であり、アスペルガーでもある西脇俊二氏が自身の経験を元にご紹介します。
※本記事は、西脇俊二:著『自分の「人間関係がうまくいかない」を治した精神科医の方法』(ワニブックス刊)より、一部を抜粋編集したものです。
まずは自分を客観視してみる
心理学用語なのでちょっと難しく思えるかもしれませんが、「メタ認知」とは自分の認知活動(知覚、思考、情動、記憶)を客観的にとらえながら、自分で評価しつつ制御することをさします。
その「メタ認知能力」を高めるというのは、“自分を上から眺めるように客観的に見て、自分の思考や行動のおかしなところを見つけ、制御・修正する力を高める”ということです。
- 自分はちゃんと空気を読めていたか。
- その場で言わなくていいことを言っていないか。
- 相手にかまわず、自分の都合だけ優先していないか。
- 以前にやらかしたミスを、また繰り返していないか。
などなど、自分を客観視して、「これはまずいな」というところや弱点を探りながら、認知→評価→制御というサイクルを続けられるようにするのです。
メタ認知を高める2つの方法
メタ認知能力を高めるには、2つの方法があります。
①セルフモニタリング
自分で自分を観察・評価すること。たとえば無意識にやっていたことにも意識を向けて、周りの感覚と自分の感覚がかけ離れていないか、自分で気づかないうちに相手に失礼なことを言ったりしていないか、自分がどんなことを苦痛に感じたかなどを、冷静に評価してみるのです。
自分ができていること・できていないことや、アスペルガー的な人は自分がアスペルガー的な行動をどれだけしているかなどを、まず見極めることが大事です。
②セルフコントロール
セルフモニタリングの結果に応じて、自分を軌道修正していくこと。
たとえば、「自分だけ会話がズレていたなあ」というモニタリング結果が出たら、「もう少しみんなの興味に合わせる話をしてみよう」という制御をかけるのです。
自分で自分を観察・評価すること。たとえば無意識にやっていたことにも意識を向けて、周りの感覚と自分の感覚がかけ離れていないか、自分で気づかないうちに相手に失礼なことを言ったりしていないか、自分がどんなことを苦痛に感じたかなどを、冷静に評価してみるのです。
自分ができていること・できていないことや、アスペルガー的な人は自分がアスペルガー的な行動をどれだけしているかなどを、まず見極めることが大事です。
②セルフコントロール
セルフモニタリングの結果に応じて、自分を軌道修正していくこと。
たとえば、「自分だけ会話がズレていたなあ」というモニタリング結果が出たら、「もう少しみんなの興味に合わせる話をしてみよう」という制御をかけるのです。
ただし、自分にプレッシャーをかけるようなコントロールはしなくて大丈夫です。
メタ認知でまず自分を客観視する、つまり「周りから自分がどう見られているか」を知ることが大事なので、自分にまた別のストレスとなるような修正を強いる必要はありません。