あきらめる。それは「あるがままの自分を受け入れる」ということ。そして、「何かを手放す」ということ……。そう、ストレスフルな現代において、自由にあなたらしく生きるために必要なのは、あきらめるという気持ちなのです。精神科医の藤野智哉氏が、肩の力を抜いてゆるくポジティブに生きるための方法を教えてくれました。
※本記事は、藤野智哉:著『あきらめると、うまくいく』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
考え込んでも「正しい結論」が出るとは限らない
あなたの人生を不幸にしているものはなんでしょう。
苦手な人、嫌いな上司、終わらない仕事、実家の親からのプレッシャー、上がらない給料。数え上げればキリがありませんよね。でも、もし、あなたを不幸にしている原因が、それらひとつひとつではなく「あなたがそれに頭を悩ませていること」だと言ったら、あなたはどう思うでしょうか。
真面目にひとつのことを考えすぎることはよくありません。なぜなら視野が狭くなってしまうからです。
ひとつのことばかり考えるという行為は、とても自分中心的な発想であるとも言えます。考えたからといって正しい結論が出るとは限らないからです。
夜中に書いたラブレターやメールの文面を思い出してください。文章を情熱的に綴って満足しても、翌朝に読み直すと、途端に気恥ずかしい思いになった経験はありませんか? 目の前のラブレターを書くことにのみ注意がいき、受け取る相手がどう考えるか、など他のことへ気が回っていなかったのではないでしょうか。
ツイートなどSNSに書く内容は、家の玄関の外に貼っても問題にならないものにしよう、と言われています。私のおすすめ方法は、ツイートを下書き保存し、翌日見返してみて、それでもつぶやきたいかどうか判断するというものです。
悩むなら期限を設定しよう
とにかく、ひとりで考え込んではいけないということです。もし考えるのだったら、期間限定で、と決めるのはどうでしょう。この仕事を定年まで続けていてもいいものか。この人とずっと付き合っていてもいいのだろうか。
あなたにとって大事なのは果たして先の見えない未来でしょうか。それとも5年後?10年後?
あなたにとって大事なのは今です。何十年も先のことを考えて、明日死んでしまったらなんの意味もありません。すぐに決断ができない人は、あなたが1年後にどうしたいかを考えるといいでしょう。
1年間は今の彼氏と付き合ってみる。嫌なところを改善してくれたら、そのときは結婚する。そうでなければ別れる。仕事がつまらないなら、希望する部署に異動を出したり、仕事のやり方や取り組み方を抜本的に変えてみる。それでも楽しくなかったら転職を考えたらいいでしょう。
うじうじと悩んでいたら1年がたっていた。そんなことに時間を使うのなら、期限を設定して悩むことを決心してください。