高校の先輩に憧れた結果…ひとりごとが癖に
うちの高校は、都立のなかではそれなりに強いけど、選手を集めてない学校との試合を運動量で制して勝ち上がり、選手を集めているシード校に負けるということを繰り返す、かなり微妙な位置付けの学校でした。
『アメトーーク!』で「強豪部活芸人」や「弱小部活芸人」はありますが、「部活真ん中芸人」という企画としては実現しなさそうなラインの高校です。
そんなうちの高校にも、すごく上手なウチダくんという先輩がいました。東京の名門・帝京高校に誘われていた、というのは知っていましたが、ウチダくんが同世代ではかなり有名な選手だったことを知ったのは、大人になってからでした。
大学の先輩でJリーグクラブの練習に参加していた方や、Jリーグの下部組織にいた選手たちが口を揃えて
「ウチダはうまかった」
というのです。もうひとつ、彼らが口を揃えて言っていたことがあります。
「ウチダは中学でサッカーをやめたと聞いている」
どうやら彼らの線引きでは、うちの高校に入ることは“サッカーをやめた”にカウントされるらしいです。
そんなウチダくんは、試合中にめちゃくちゃひとりごとをいう選手でした。
「いやそれはないっしょ」「うそ! うまっ!」「こんなん怪我するっしょ」「調子乗りすぎっしょ」
と、敵味方問わず全てのプレーにひとりごとを言うのです。
ちなみに、僕はウチダくんを真似していた結果、今でもひとりごとを言う癖が抜けません。
それは僕以外のチームメートも一緒で、かっこいいウチダくんにみんなが憧れた結果、相手が予想外のスーパーゴールを決めても
「いかつっ」「うまっ」「やばぁ」「あれは無理」「えっぐ」
と各々でひとりごとをしゃべるニコ生みたいなチームになってしまい、ウチダくんがうちのチームに残してくれたのは、コメント欄みたいな空気感でした。そりゃ強豪に勝てないって。
振り返るとすごいもので、部活の思い出ってまだまだいくらでもあるんですよね。
でも文字数的にもそろそろなので、今日はここまで。また機会があれば、部活の思い出を紹介したいと思います!