リーグ王者同士の本気モードの戦い!
しかし、夏の思い出はこの日だけでは終わらないのです。それから3日後、同じく国立競技場で開催されたマンチェスター・シティvsバイエルン・ミュンヘンの一戦も、我々はピッチレポーターを任されているのです。
試合前のウォーミングアップを見て気づいたことがあります。両チーム、本気モードです。しっかりダッシュ系のメニューをこなし、心拍数を上げていく両チーム。
特にバイエルンの本気度はすごい。「前シーズンのCLでシティに敗退させられた因縁、ここで晴らすべし!」という目をしています。これは、フレンドリーマッチの熱量じゃない!
試合が始まると、両チームのプレススピードがマリノス戦の比ではありません。特にシティは、あの試合が肩慣らしだったかのようなハイプレスをかけていきます。
メンバー的には一軍のバイエルンに対し、今日もハーフタイムで総替えするだろうな、という1.5軍くらいのシティですが、がっぷりよつにやり合います。
2005年にバルセロナを見たときも同じことを思ったのですが、ペップが監督をしているということもあって、シティは誰が出ても同じサッカーができるのがすごい。これが、哲学というものなのでしょうか。
そして、我々も前試合と同じくスタジオ席へ。この試合ではスタジオに影山優佳さんがいたので、槙野智章さんや影山さんらとお話ししながら観戦。どんなVIP席より贅沢だ。
影山さんにグリーリッシュに2回ウインクされた話をすると、
「キャー! やばいー!! かっこいいー!!」
と、大興奮。
いや、普段あんな知識や地頭の良さ見せといて、そんな普通の女の子な一面もあるのかい。サッカー好きタレントとして無敵すぎるよ。
また元リーズであるカルヴィン・フィリップスが優しすぎた話をすると、
「やばいー! 好きー!!」
と、普通のリーズファンの女の子の一面を見せてきます。
いや、ていうか『普通のリーズファンの女の子』ってなんだよ。リーズ好きな時点で普通じゃないよ。
合コンで自称サッカー好き男子に好きな選手を聞かれて、正直に「ピシュチェク」と言ってドン引かれた我が友人のモモコくらい普通じゃないよ。
影山さんのキャッチフレーズ「あなたのハートにゲーゲンプレス」の対義語「あなたのハートがリトリート」を生み出したモモコの話は置いときまして、試合の話に戻ります。
試合開始5分、栗谷さんが小声でいいます。
栗谷「リコ・ルイスの立ち位置が絶妙だ」
すがや「リコ・ルイス?」
栗谷「あそこいられたら捕まえられないよ」
改めて注目してみていると、そこからリコ・ルイスが完全にキーマンとして機能し、先制ゴールもアシストしたのです。
ハーフタイムに槙野さんが栗谷さんと同じことを話していました。
いや栗谷さんの戦術眼すごっ。その感じでサッカーIQ高いんですか……。
栗谷さんは神奈川ベスト4の高校でトップ下のレギュラーでした。だから、リコ・ルイスやフォーデンといった同じポジションの選手の立ち位置に自然と目がいくんですね。
そして後半、二軍のメンバーとなってしまったバイエルンは、総替えしてもクオリティが落ちないシティに圧倒されてしまいます。
前半は過去に生で見た試合のなかでも、トップクラスにハイレベルな攻防でしたが、後半は失速しちゃったかな、暑いしなぁという印象。で終わるかと思いきや、バイエルンがワンチャンスでゴールを決めます。
場内に流れる『天国と地獄』の音楽。
影山さんと「これはいいですねぇー」「リスペクトですねー」なんて言いましたが、これを説明なしで「いいですねえ」と言い合える影山さん最高です。
そして、その後再びシティがギアを上げて勝ち越し。この勝ち越すまでのシティ本気の数分間めちゃくちゃ面白かった。両サポーターも最後まで楽しめたのではないでしょうか。
我々もピッチレポーターとして選手を間近で見ることができて、最高の夏の思い出になりました。
来年もやりたいなあ。来年もどうにかなりませんかねぇ。マジで。本当に。どうにか、ねぇ。マジで。真剣に、お願いしますよ。マジで。