利益よりも、お客様のおもてなしを重要視する
新保 ただこれだけ全国で展開していくとなると、チームワークが欠かせないと思います。
加藤 おっしゃるとおり、私たちの仕事はチームでやっていく仕事ばかりですので、やはり自我ですとか我欲というものを優先してはいけません。そのためにも、やはりコミュニケーションを積極的に取っていかなければならないと常に自分に言い聞かせています。
新保 コミュニケーションがやはり大事だということですね。もう少し踏み込んでお聞かせください。今回のインタビューが掲載されるのはビジネスマン、サラリーマン向けのサイトなのですが、もし私が代表だとしたら、駅近で展開マニュアルもあって……いわゆるビジネスホテルですが、400~500人を入れるホテルのほうが、言い方は悪いかもしれませんが、楽だとは思うのです。利益ですとか、回転率を求めても、本来はそのほうが効率的だったりしますよね。しかも、スモールラグジュアリーや沖縄のリゾートはひとつひとつ、コンセプトが違うので、つくり上げていくのはとても大変です。にもかかわらず、なぜそちらに代表の夢や目標は向かうのでしょうか?
加藤 これは私の経営の考え方なのですが、例えばビジネスホテルの場合、収益不動産としての側面も強く、デベロッパーの方が中心となって手掛けています。オペレーションは画一的ですので、目の前の利益を確保できたとしても、中長期的に見たら、いつか上手くいかない時期が来る可能性も高いのです。実際、私どもにもオペレーターとして、ビジネスホテルのお声掛けをいただくことがありますが、取組には慎重な判断を行っています。なぜかというと、お客様のおもてなしよりも、利益重視に走りかねないからです。それは私の信条とは異なります。KPGが選ばれる理由は、他の誰にもできないことを成功させられることだと思っています。例えば、銀座数寄屋橋の『TsuruTonTan UDON NOODLE Brasserie銀座』はその最たる例ではないでしょうか。
新保 たしかに他には見かけません。
加藤 銀座という場所でも、私たちKPGが積み重ねてきたノウハウがあるからできることでありまして、スモールラグジュアリーでもまったく同じという認識です。「これは私たちのオリジナルだ」という思いと、「オリジナルのノウハウ」があるからこそ、生き残っているのだという自負はあります。