『THE SECOND』準優勝を振り返って
――マシンガンズとして、ここ1年でいうと、やはり『THE SECOND』が大きいですよね。
西堀 ですね、5月20日以前と以後でガラッと変わりました。でもまだ、今の時点で半年も経ってないんですよ。だから、僕の場合よく言うのは、僕らが変わったんじゃなくて、周りが変わった。ネタも作ってなかったですし。
――10年くらい前に、マシンガンズさんがネタの感じを変えて、ドカンドカンウケてるって界隈で噂になってました。
西堀 界隈!?(笑) でも10年前で2013年でしょ? もうちょい前に変えてるんじゃないかな。
――以前に『THE SECOND』プロデューサーの日置さんに取材したんですけど、予選は幅広い年代のスタッフに点数つけてもらって、例えば若い子が高い点数つけてたら、みんなでもう1回見直してみる、みたいな審査方法をしたようです。
西堀 うーん、なんかカッコつけた言い方になっちゃいますけど「時代が僕たちに合ってきたのかな」。だって、めちゃくちゃありネタをやりましたし(笑)。
――たしかに、ネタの内容は全部覚えてました(笑)。それでも面白いっていう。
西堀 で、結局、ネタ作ってないから決勝の決勝でネタがなくなっちゃう(笑)。そのあと、永野さんとテレビで一緒になって「マシンガンズは惨めで勝ち上がった」って言われて、そのときはツッコんだけど、あながち間違ってないなって。だって、強者と同じ戦法を使ってたら、僕らは勝てないっすよ。ただ、SECONDに関しては、芸人人生で初めて、売れてないことが良い方に向いた瞬間だったかもしれないですね。
――3本目も最高だ、これぞ漫才の究極系だ!って僕は思いました。これ、ご本人に言うことじゃないですけど、準優勝がマシンガンズっぽいなって。
西堀 いや、本当そうなんですよ。「優勝ギャロップ、準優勝マシンガンズ」が本当『THE SECOND』っていう大会を象徴してると思います。決勝戦の点数発表で、僕らの点数が低くて、ズッコケて……。
――(笑)。
西堀 決勝のネタが終わった直後は、舞台裏でほかの芸人も「優勝あるんじゃない?」とか言ってくれてて、ちょっとその気になってたら、点数低くて、他の芸人もゲラゲラ笑ってて、“ああ、いいなあ”と思いました。
ウォーカーチャンネルを多くの人に見てもらいたい
――今後、太田プロ所属以外の芸人さんも出てもらいたいと思うんですが、声をかけてみたい芸人さんはいますか?
西堀 エルシャラカーニとか、ふとっちょ☆カウボーイとか。この2組は『西堀ウォーカーチャンネル』に合ってるんじゃないかと思うんで、いつか話を聞いてみたいです。
――もっと売れてもいいのにな、もっと面白さを知ってほしいな、と思う方はいますか?
西堀 たくさんいますよ。太田プロだけでも、ブラックパイナーSOSさんは面白いですし、インスタントジョンソンさんはSECONDのコント版みたいなのがあったら絶対に注目されてるだろうし。
――『キングオブコント』も明確な芸歴制限はないですけど、やはり芸歴が浅い方たちの大会になりつつありますもんね。
西堀 みんな続けている人は、何かしら“芸人という病”にかかってるんですよ。お笑いが好きで、芸人で良かったと思ってるし、いつかドカンと行く日を夢見てる。でも、今でも楽しいっていう。外側から見たらどうかしてる、病気だって思われるかも知れないけど、芸人でいることが幸せなんですよね。
――本のエピローグでは、芸人さんだけが住む「芸人団地」を作りたいとおっしゃってました。
西堀 芸歴25年もやってて、芸人以外のコミュニティに属したことがないんですよね。そういうところがダメなのかもしれないですけど。だから、自分が“芸人という病”にかかってるかどうかはわからないけど、そういう人たちと一緒にいたいんです、すごく心地良いので。
――この本を読み終わって、西堀さんは夢を叶えているなと思いました。
西堀 ああ、それは本当にその通りかも知れないです。例えば10年前とかだったら、冠番組やりたいですとか、もっといろいろあったかもしれないですけど、今回のSECOND準優勝も、どっかで棚ボタだと思ってるんで、この結果を受けて何かやりたい! とかはないんですよね。
ただひとつ明確なのは、ウォーカーチャンネルをもっと多くの人に見てもらいたいっててことです。「見てるよ」とか「面白いね」って言われるんですけど、業界の人ばかりなんですよ、“本当にこれ、一般の人たち見てるのかな?”と思ってるんで(笑)。