年をとっても「人格的成長」を遂げる人たちの共通点

ついつい私たちは、思い通りにならない事態に遭遇すると、都合のいい言い訳を見つけようとしがちです。「もう歳だから」「こんな会社だから」「時代が悪いから」とエクスキューズをつけ、ただただ天を仰ぐ。

実際には、自分自身が動き続けることをやめただけ。自分が足を止めてしまっただけ。自分自身が「選択の自由」を放棄しただけにすぎません。自分の内なる声に耳を澄ましてください。「そのまま腐ってろ!」と嘆いてるだけか、「このままで終わりたくない!」と怒っているのか?

もし、このままで終わりたくないと怒っていたなら、目の前の自分がやらなくてはならない仕事の質を上げるにはどうしたらいいか? を考え、具体的に動いてください。自分の考え方や行動を自己決定できる思考=自律性を徹底する。そうすれば人生後半戦を生き抜く、最大の武器「人格的成長」を手に入れることができます。

人格的成長とは“成長し続けている感覚がある”状態のことで、そのエンジンになるのが「自分の可能性」への強い信念です。

▲自分の可能性を信じること大事 イメージ:kikuo / PIXTA

国内外で実施された調査で「人格的成長の度合いは年齢とともに低下しやすい」という一貫した結果が得られている一方で、私がこれまでインタビューした人のなかで、いくつになっても人格的成長を維持していた人たちには、例外なく「自分への怒り」がありました。

役職定年など外的な要因で側道に追いやられた人たちほど、自分への怒りが顕著でした。自分の立場に戸惑い、投げやりになったり、息を潜めそうになったりしながらも、「このままじゃつまらない。腐ってたまるか!」とあらがい、主体的に動いていました。

「腐ってたまるか」という自分への怒りこそ、人格的成長の導火線です。目の前の仕事を「少しでもいい仕事にしてやる!」と意地を見せれば、怒りが前に進むエネルギーに転換されます。

なんやかんや言っても、目の前の仕事の「質」を高めるために励む以外、できることはないのです。明後日の方向を見るのではなく、目の前の仕事に200%完全燃焼することで人は進化します。

辞めるのはいつだってできる。その前に、まずは「自分の成果物」の価値を上げるべく徹底的にまい進する。必死に学び、時には周りの力を借り、とにかく動く。そのプロセスが人格的成長を強化します。

すべての人に「人格的成長」の機能は常備されていますが、スイッチを押せるのはあなただけ。主体的に、具体的に動きさえすれば、スイッチが、オンします。たとえ危機に遭遇しても、いったんオンになった「心=人格的成長」はひるみません。

「人格的成長」と「チャレンジ精神」を同一に扱う専門家もいますが、厳密には異なります。うどんときしめんといった感じでしょうか。チャレンジ精神が「自分の行動する力」に価値を見出していることに対し、人格的成長は「自分の内在する力」に価値を見出すもの。

自分を決して諦めないでください! 自分で限界さえ設けなければ、可能性はどんどんと広がっていきます。可能性は無限大なのです。