すべては拷問軍からの逆恨みから始まった

この連載は2023年を振り返りながら、来たる1月2日の有明アリーナにおけるプロレスリング・ノアの2024年初のビッグマッチに向けて、清宮海斗を追いかけてきたが、カードが確定したのは大会12日前の12月21日夜。

9月からタッグを組んでいる新日本プロレスの大岩陵平、稲葉大樹、近藤修司、宮脇純太、そして新日本の海野翔太と組んでEVIL、高橋裕二郎、成田蓮、金丸義信、SHO、ディック東郷のHOUSE OF TORTURE(ハウス・オブ・トーチャー=拷問の館。以下、HOT)との6vs6イリミネーションマッチになった。

これまでリングで対峙していた海野を加えたNOAH&新日本連合軍と、HOT全メンバーによる激突という複雑なカードが確定するまで時間がかかったが、ここに至るまでにはさまざまな出来事があった。その発端は11月の新日本の『WORLD TAG LEAGUE』。ますは同大会を振り返ってみたい。

▲大岩と組み始めた9月から清宮を取り巻く環境が大きく変化

Aブロックにエントリーされた清宮&大岩は、11月20日後楽園ホールにおける1回戦でアレックス・ゴブリン&ゲイブ・キッドのWAR DOGと対戦。場外乱戦のなかで、大岩がゲイブにドロップキックを放ち、そのあいだにリングに生還した清宮がリングアウト勝ち。清宮にとっては、G1公式戦で両者リングアウトの場外心中に持ち込まれたゲイブに雪辱を果たす形となった。

続く第2戦の11月25日藤沢では、EVIL&裕二郎のHOTと対戦。序盤は清宮が金具剥き出しのコーナーに叩きつけられるなど標的にされ、終盤にはディック東郷、SHO、金丸義信の介入があったものの、清宮がフランケンシュタイナーを裕二郎にズバリと決めて快勝。清宮は「俺たちのプロレスで浄化してやった」と胸を張った。

第3戦の11月28名古屋は、ファンが最も注目していた海野翔太&成田蓮との新世代対決。清宮はG1で海野と20分時間切れ引き分け、成田には逆転負けを喫している。期待通りの熱闘は27分31秒、大岩が海野のデスライダーに敗れたものの、試合後に4選手はノーサイドで握手。団体の枠を超えて、この世代でプロレス界を盛り上げていくことを誓った。

「試合には負けているんで、悔しい部分はありますよ。でも彼らとはG1でも当たっていて実力っていうのは感じているし、キャリアとかは関係なしに選手としてスゴいなって思っているので、これからもやり合っていきたいですね。団体は違いますけど、いろんな部分で負けられないですね、彼らには」と清宮は語る。

▲G1を通して他団体の同世代の強さに触れた

その後は、かつてNOAHでも活躍したマイキー・ニコルス&シェイン・ヘイストのTMDK、石井智宏&矢野通、ビショップ・カーン&トーア・リオナに敗れて優勝戦進出はならなかったとはいえ、清宮は「まだまだ組んで2~3か月。もちろん課題というのはたくさんあるんですけど、自分たちのやってきたことは出せたので前向きな気持ちですね」と充実感を語った。

だが、その充実した大会で厄介なことが起こってしまった。公式戦で清宮&大岩に敗れたHOTに逆恨みされてしまったのである。

11月25日藤沢の公式戦後の乱闘で、清宮のシャイニング・ウィザードを食らったEVILが「あのクソガキども、ふざけやがって! 今日、やったことを忘れんなよ。絶対、報復してやる」と吐き捨て、夏のG1にエントリーされなかったのは清宮に権利を横取りされたからだ、そう試合前から言いがかりをつけていた裕二郎も「清宮、いつもいつもこの俺の邪魔をしやがって! 必ずペイバックしてやる」と宣言。公式戦が終了すると牙を剥いてきたのだ。

12月8日霧島で、清宮&大岩&田口隆祐vsEVIL&SHO&金丸の6人タッグが組まれ、SHOのトーチャーツールで殴打された田口が金丸に丸め込まれて3カウント。試合後には大岩がHOTのストンピングで蹂躙されてしまった。

そして最終戦の12月10日熊本では、清宮&大岩&本間朋晃vsEVIL&裕二郎&金丸の6人タッグが組まれ、本間がsEVILの必殺技EVILに轟沈。試合後に東郷とSHO、12月6日に唐津で海野を裏切ってHOTに電撃加入した成田も加わったHOT6人にストンピングを浴びた清宮&大岩だったが、ここに海野が飛び込んできて成田に殴りかかり、形としては海野が清宮&大岩を救出する形になった。

袋叩きにされた清宮は「正面からかかってこい、逃げんなよ、この野郎! いつでもやってやるよ!」と激怒。一方、EVILは「所詮、NOAHのくせに生意気なんだよ。てめぇみたいな野郎はいつでも潰してやるよ」と抗争続行を匂わせる発言。これを受けて翌12月12日、NOAHは未定だった清宮の1月2日有明アリーナのカードを、清宮&大岩vsEVIL&裕二郎のタッグマッチとして発表した。

これが冒頭の6vs6イリミネーションマッチに変更されたのは、このあとに二転三転あったからだ。