2024年1月20日、板橋区で初となる生理体験学習が小学校で開催された。この学習会は、男性教師が授業中に突然、生理になった児童への対応方法について自身の知識不足を実感したことから、児童が安心して過ごせる環境を整えるために企画したもので、子どもたちや保護者にも正しい知識を得ることの重要性を伝える機会になればと話してくれた。
みんなで考えよう! カラダのこと
この日は132名の親子が参加し、「カラダや命の大切さ」や「表現の楽しさ」を親子で共有することで、自分自身だけでなく、周りの人に対する思いやりを深めることをテーマに、講師陣からカラダのことについて学んでいた。
日本の学校教育では、「初経」についての指導要領が存在するものの、具体的な教え方は学校や担任の先生に委ねられている。一部の男性は学生時代に生理についてまったく教えられていない場合があり、性に関する正確な知識が不足している実態がある。
参加者へのアンケート調査によると「学生時代に教えてもらった性教育を覚えていますか?」には、47%が覚えていないと回答。また「お子さまに性教育やカラダの仕組みについて伝え方で困ったことはありますか?」については、60%が困ったことがあると回答していた。
この日は、親子でカラダについて考え、対話を促進するために、3つのプログラムが実施された。
生理学習会では、産婦人科医の高橋幸子先生が、「カラダや命の大切さ」について絵本や動画を使って詳しく解説した。事前の保護者アンケートで「生理のことについて親子で話したことはありますか?」について63%が<はい>と回答。しかし、その一方で話す内容の悩みが多く上げられていた。
そのなかで多かった悩みが、「カラダの仕組みやデリケートゾーンのケア方法」「生理用品の使い方」など、これまで自己流で実施していた部分を専門家から説明されたことで、さらに質問や疑問を通じてより深い理解につながっていたようだ。体験学習後の保護者アンケートでは、86%が「家族で話していきたい」と生理について話すことに前向きな回答をしていた。
生理学習会以外のプログラムには、ベストオブミス神奈川グランプリによる「表現の楽しさを体験できる特別なウォーキングレッスン」や、第三生理用品〔女性の健康と快適な生活をサポートする新しいアイテム〕の使い方や商品の展示もあり、親子で「カラダのこと」を学ぶことができた一日となったようだ。
体験学習開催後に男性教師から話を聞いた。
「カラダのことや生理の話は、ついフタをしがちな話題のため、茶化すネタになってしまう懸念が大きくありました。しかし、子どもたちが慣れ親しんでいる学校という場所で、保護者と児童が共に明るく楽しく話せる環境を作ることが重要だと感じました。
体験学習開催後、児童たちとカラダのことは、誰もが一生考えるもの。恥ずかしいと思うこともあるかもしれないけれど、話せる相手がいることはとても大切。自分だけで悩まなくて大丈夫と話しました」
この学習会「Smile Kids Fes」を運営した株式会社レッカスグルーヴのLy:set(リゼット)担当に聞いたところ、参加した児童は小学校3~4年生が多く、保護者からの悩みには、最近はインターネットやSNSなどでも情報を得ることができるので、子どもがどれだけ知っているのか、それが正しい情報なのか、などの悩みもあったという。
カラダの知識や悩みについて、親子で正しく学ぶことができる場所が必要だ。