ケイ・ダッシュステージ所属のお笑いコンビ、トム・ブラウン。高校時代の先輩後輩コンビで、2009年に北海道から上京してきた二人は、今やお茶の間にとって欠かせない存在だ。ニュースクランチのインタビューでは、昨年末の『M-1』敗者復活の舞台裏や、芸人としてのキャリアにおいて、ターニングポイントとなった出来事などを、たっぷりと語ってもらった。
あわよくば優勝できると思っていた昨年の『M-1』
――昨年末のM-1グランプリ敗者復活でのネタ、すっごく最高でしたし、さまざまな芸人さんが激賞されていましたが、お二人の手応えはいかがでしたか?
布川:悪くはなかったのかな、と。ありがたいことにスタッフさんや芸人仲間からも褒められることが多くてうれしかったですね。
みちお:そうだね。
布川:この前、ジュニアさんとお仕事が一緒になったとき、挨拶に伺ったら「めちゃ言われてるとは思うけど、ほ〜んま、おもろかったなあ〜…」と言ってもらえて。「めっちゃおもしろかったねえ!」みたいなテンションじゃなくって、しみじみ言ってくれたのが、すごくうれしかったですね。
みちお:それから、僕らのネタのなかでも、かなり狂気的なネタなのにも関わらず、SNSでは赤ん坊が笑ってくれたと話題になりまして。そこでわたくし、考えました! 死を司るネタだから、生(せい)を司る者たちにウケたんじゃないかって! 子どもたちが死を笑顔に変える、この漫才の影響を受けて、より世界が良いものになるきっかけになったかと思うと興奮します!
布川:「なったかと思うと」って言うけど、なってねえよ!
――あははははは!(笑) 個人的には、準々決勝、準決勝と拝見していたので、あのネタで決勝に残らないのは納得いかないな、くらいに思ってました。
みちお:ありがとうございます。たしかに“いいネタができた! 決勝にストレートでいって、あわよくば優勝できるぞ”って思い込んでいました。だから、準決勝で敗退して悔しかったですね。
だからこそ、敗者復活では準決勝からネタを細かく調整して挑んだということもあって、それを「おもしろい」と言ってもらえて、すごくうれしかったんです。今年、2024年はM-1出場のラストイヤーなんですけど、良い弾みになったというか頑張れるな!って。
――2023年から敗者復活の審査方法も変わりましたが、特に心構えなどは変わらず?
布川:そうですね。むしろやりやすかったです。個人的には、NON STYLEの石田さんが褒めてくださったのがうれしくて。
みちお:うれしかった! 敗者復活前に、さらば青春の光さんの「さらばBAR」という配信に出させていただいたときに「僕らみたいなネタは、正統派の漫才をやられる石田さんにはハマらないだろうから、石田さんの票だけは捨てて頑張ろう!」って話していたくらいですからね。
ともしげさんは褒められてるのを見たいだけ
――お二人といえば、毎年お笑いファンのSNSで「今年のトム・ブラウンはヤバい、決勝に行くんじゃないか」と話題になっているイメージがあります。そういう声について、プレッシャーに感じたりはしないのでしょうか?
みちお:客観的に見たらM-1自体が盛り上がるし、いいかなと思ってます。ただ、1回Twitter(X)でもない、変なSNSで準決勝のメンバーが発表されていて。
布川:SNSじゃない、掲示板ね! 5ちゃんだよ、5ちゃん!
みちお:それを見て布川が「準決いったぞ! おっしゃー!」と喜んでて、いざ公式のTwitterを見たら、全然行ってなくて、ぬか喜びだったことはありましたね。あのときは、めちゃくちゃ翻弄されました。
布川:やっぱ気になって見ちゃうんですよね。個人的には準決勝が終わって見るぶんにはよくても、準々決勝ぐらいで見ちゃうとあんまりよくないなって。“良い感じなんだな”と思っちゃうと、それ以上、頑張れなくなる気がするんですよ。
みちお:あんまり良い評判が書いてなかったらへこむし、書いてたら書いてたで喜びすぎて、落ちたときにめっちゃへこみますから。本当は結果が出るまで見ないほうがいいんだろうなと思います。
布川:でも、芸人みんな我慢できなくて見ちゃうと思いますよ。準々決勝終わりに、モグライダーのともしげさんと飲みに行ったんですけど、一緒にいるインディアンスのきむと、ゆにばーすの川瀬名人から「絶対、モグライダーは通ってますよ」って言われてもずっと調べてて。あれはネットで自分が褒められているのを、ただただ見たいだけなんだろうなと思いました(笑)。