ダイタクにもらったアドバイスで気づいたこと
――選考会で披露したネタはどのような理由で決めたんですか。
福田:じつはあれ、めちゃくちゃ適当に作ったネタなんですよ。最初、イベント用に依頼されて作ったネタで、それ以来やることがなかったやつなんです。だけど、沼津(ラクーンよしもと劇場)で2日間で8本ネタやることがあって……ネタがなかったんで、そのときにやってみたんです。
そこでもあんまりウケなかったんですけど、そのあとダイタク〔※NSC14期の一卵性双生児の兄弟からなるお笑いコンビ〕とのライブのときに、「もう、俺たちじゃわかんないから、お前らがTHE SECONDのネタを決めてくれよ!」と言ったら、そのネタを指定されて。
「これでウケたことないんだよ」と言ったんですけど、「じゃあ、それをウケるようにしてください」って言われたんですよ。
――磨けば光るものを感じてたんでしょうか。でも、ダイタクさんに対して信頼があるんですね。
福田:決めてもらったほうが、こっちも気が楽なんで(笑)。あと、ダイタクが俺の友達と飲んでるときに「LLRさんはネタはめちゃくちゃおもしろいですけど、とにかく漫才が下手です」と言ってたらしくて。
それが衝撃だったんです。この22年間、LLRはネタはおもしろくないけど、 なんとか漫才のうまさでごまかせてると思ってたんで、そっちだったのか!って。今までは、ネタをもっとおもしろくしなきゃいけないって悩んでたのに、違ったんだと(笑)。でも、ネタはもう十分なんだと思ったら、めっちゃ気楽になりました。
――LLRさんの漫才が下手なんて思ったことないですけどね。でも、福田さんが後輩の方の意見を参考にするっていうのが、なんかすごく意外でした。
福田:昔だったら聞かなかったと思いますけど、こだわりがなくなってきたんですよ。あと、今まで人の話なんか聞いてこなかったんで、1回くらい言われた通りやってみようかなって。結局、今までも別にそんなよくないんだったら、いろいろ変化を起こしてみたほうがおもしろいんじゃないかなと。
美容メンテナスが必要な年齢になりました(笑)
――何か考えが変わるきっかけとかあったんですか?
福田:きっかけとかは別に……でも、もう44歳なので、体力的にやれなくなってくることも増えていくじゃないですか。だから、これまでやってないことはガンガンやっていったほうがいいのかなって。
それこそ、以前は結婚とかも絶対イヤだったんですよ。周りからなんか言われるのもイヤだし、そもそも向いてないと思ってたんです。でも、できるうちに新しいことはやったほうがいいなと思って、踏み切ってみました。特に結婚したからといって、仕事に対する意識は変わらなかったですけどね(笑)。
――ファンの方も福田さんの結婚は驚きだったと思います。伊藤さんも今年、お子さんが誕生されましたね。
伊藤:そうですね。僕も子どもができたからといって仕事に対しての変化はそんなに感じないですけど、やっぱり生活は楽しくなりました。今はまだ子どもが小さいので、奥さんの実家にいるんです。だから、会える日に向けてがんばろう! みたいなのはあります。年を取ったら、この日が待ち遠しいって思えるイベントが少なくなるじゃないですか。だから、この日が楽しみって思える日があるのはすごくいいですね。
――お互いから見て、昔と比べて変わったなと思う部分はありますか?
福田:見た目はだいぶ変わりましたよ。漫才中にパッと横顔を見たとき、ほんとジジイだな! と思いますね(笑)。
伊藤:たしかに、年を取ったと思いますよ。見た目もそうですけど、動きとかも。
福田:伊藤にかかわらず、同世代のヤツらと会うとビビりますよ。シワが増えてたり、もみあげが真っ白だったりとか。だから、本当に年を取れば取るほど、ちゃんとメンテナンス、美容はやったほうがいい(笑)。なんとなく、昔から男芸人がそういうのをやるのはダサいみたいな風潮がありますけど、ちゃんとやらないとダメだと思いますね。見てられないんで。