ハイスタとSMAPに通ずる「地元の先輩にいそう感」

さて、これだけ世間を巻き込んで、いろんな人々に影響を与えて、今までできなかったことをやってしまうハイスタ。例えるならば、ストリートシーンのSMAPみたいな存在でした。

僕はSMAPさんを熱心に追ってたわけじゃないので、詳しいことは知らないけど、ファンは同じ90年代を楽しく過ごしてたんじゃないかな? そして、ハイスタ好きの僕らはSMAPを知ってたし、SMAP側の人もきっとハイスタは知ってたと思う。これは勝手な想像ですので、怒らないでくださいませ。

ハイスタのスゴいところって、オリジナル楽曲の全てがクオリティーが高いこと。「あ、最初の曲いいな!」と思ってると、さらにそれを超えてくる楽曲がアルバムに必ず入ってる。

次から次へとおいしいメニューが出てきて目移りしちゃう、オリジン弁当方式なんです!

僕は『バリ3TV』でDJをする機会もあるんですが、ハイスタを流したときは、老若男女がマジで一体になります。このまま球体になるんじゃないか?ってくらい、一体感が生まれます。

▲90年代カルチャーに囲まれています

イベントによっては、ロックよりもJ-POPのほうが良いシーンもある。そんなときはSMAPの『SHAKE』を必ず流します。すると、やっぱりみんな盛り上がってくれる。

SMAPって、初期の曲はアイドルアイドルしてたイメージだけど、「10$(テンダラーズ)」とか「あれ? ベース唸っててカッコよくね?」みたいな曲をポンって入れてくるので、「SMAPは意外とあなどれねー!」と思ってたもんです!

その“あなどれねー”と思ってた面々は、コントは芸人がやるのが当たり前だった時期に、フジテレビの22時から自らの看板番組でコントをやり始めて、さらに衝撃を与えます。

「え、彼らアイドルなの? ちゃんと面白いんですけど……なんなの、この人ら!」

テレビの前で「まじであなどれねー!」と思ったもんです。しかも、曲を出したらミリオンセラーだし、中居くんなんてMCもやってるし、キムタクは着るものや髪型まで全部流行って、ドラマに出たら全部最高視聴率だし、歩くカリスマになってたもんね。SMAPには「先人がやってないことやったろうぜ!」という、パンクロック精神を感じました。

だけど、ハイスタにもSMAPにも、僕はなぜか強く親しみを感じていました。おそらく僕だけじゃないと思う。なんというか、地元の先輩にいそうな感じ? コレを両者ともに持ち合わせてたと思う。

バブル期から90年代に移り変わるとき、どんな人が時代をリードしてたんだろう、と考えるんです。あの頃、若者を牽引するために必要な要素は……

「その辺のお兄ちゃん感」

だったんじゃないかな? 否は受け付けません!

バブルが弾けて景気が落ちこんだ90年代。それまでのカウンターカルチャーみたいな感じで、「今までと同じことやってたらダメだ!」「自分たちでやりたいことを表現しよう!」を、その辺のお兄ちゃんがやる! それが90年代! なんて最高にカッコいい時代だったんでしょう。

この記事は単発ですが、好評であれば次回も続きます。あと、本文中の敬称略です。念のため。

(構成:キンマサタカ)


プロフィール
 
ゆってぃ
1977年1月25日生まれ、東京都出身。プロダクション人力舎所属。「スーパーアイドルゆってぃ」になりきった漫談で人気になったピン芸人。X(旧Twitter):@YUTTY52、Instagram:@yutty52_yuta、YouTube:バリ3TV