STEP2「有給休暇を確認しよう」
辞めようとして初めて知ったのだが、僕は「有給休暇」がめちゃくちゃ貯まっていた。最終出社日から2か月は、会社に籍を置いておける(給料が出る)ほど貯まっているとのことだった。なんて良い会社なんだ、荷物整理をしていたら隠し財産が出てきたじゃないか。
しかし、有給消化期間中は引き続きテレビ局員であるため、会社を立ち上げたり新しい仕事をすることはできなさそうだった。「その期間は目立った動きをするな」と言われたようなものだし、一番身近な上司にも実際に言われた。自分をすっ飛ばして退職報告をしたことを根に持っていそうだった(やはり一番身近な上司から辞める報告をすべきかも)。
有給は自分が働いて得た権利だから行使すべきだし、何もしないでもお金がもらえるなら超いいじゃんと思ったけど、果たしてどうなんだろう。もっと計画的に使っておくべきという大前提はありつつも、有給を使って2か月のんびり過ごすか or 有給を使わずにすぐ働くか。
何もしないことが怖かった僕は、全ての有給の権利を放棄して、なる早で辞めることにした。我ながらカッコいいと思った。一応、人事の人に「余った有給って換金できるんですか?」と聞くと「できません」と言われた。かなりカッコ悪かった。
STEP3「最後の出社をしよう」
2022年7月31日、そんなこんなで最終出社日。人事部に行き、社員証を返却して「辞めたからと言って会社の情報を漏らさないように」みたいな書類にハンコを押した。押したくなかったけど、たぶん押すまで辞められなそうだったのですぐ押した。その後、しれっと一人寂しく会社をあとにした。
コロナ禍でテレワークが主流だった時期なので、最終出社日もフロアに全然人がいなかった。みんなが両サイドに並んで、手でアーチを作ってくれるなかを照れくさそうに会社を去ることを1ミリでも想像した自分を殴りたかった。
最終日でエモ全開になっていたので、激務バラエティ班時代の深夜によく行ったラーメン店に寄ることにした。「朝までやっている」というのが一番の売りのお店で、二番目の売りは卓上に置いてある食べ放題のネギと激辛もやし、肝心のラーメンの味は可もなく不可もない店だ。
東京で金属バットと飲んでいるとき、僕がこの店の話をすると「じゃあ行きましょうよ」と言って3人で行ったことがあり、それ以来、彼らはこの店のラーメンが僕の人生最高の一杯だと思い込んでいる。
少し話が逸れたが、あの頃、何度も食べたラーメンチャーハンセットは、思い出補正がされた状態でも可もなく不可もなくて笑ってしまった。ラーメンもチャーハンも食べきれなかったことに月日の流れを感じた。
STEP4「辞めたことを発表しよう」
2022年8月1日の0時ぴったりに、僕はTwitter(現X)とnoteでテレビ朝日を退職したことを発表した。0から再出発なゆえ、この報告は次なる仕事への初手アプローチとなるため、かなり重要だった。何度も推敲を重ねたあとに発出し、大きく話題を集めることができた。
この一報を見て仕事の連絡をくださった関係者がたくさんいたので、本当にありがたい。これから独立を図っている人には「辞めた瞬間が最も注目される」ということをお伝えしておく。
7/31をもってテレビ朝日を退職して、本日から社長になりました。まだ「自称」社長です、自称社長はバカすぎるので手続き急ぎます。
— たかはし(TP) (@takahashigohan) August 1, 2022
お仕事の問合せは気軽にDM下さい。TVラジオWEB雑誌P作家出演者何でも。既に結構きてて驚いてます。
詳細はnoteに。頂いた投げ銭はありがたくエアコン修理代に充てます。 pic.twitter.com/ryNdMsQ0sy
兎にも角にも、「辞めた瞬間」は将来どうなるか本当にわからずとても不安なので、そのとき優しくしてくれたり、手を差し伸べてくれた人の御恩は一生忘れないだろうし、もし逆に、その人たちに“その瞬間”が訪れたら、絶対に力になりたいと思っている。