おはようごさいますこんにちはこんばんは、番組プロデューサーのTPこと高橋です。今は「TPコーポレーション東京X」という変な名前の会社の社長として、さまざまなコンテンツを制作していますが、2022年7月31日までは「テレビ朝日」という大企業の社員でした。普段は言わないけど、わかりやすくするために前の肩書きにすがらせていただきます。

さて前回「会社を辞める or 辞めない」の心の葛藤を記したので、今回は「じゃあ実際にどうやって辞めたっけ?」というのを記したいと思います。大企業を辞めるハウツーメモ、レッツ退職。

STEP1「いろんな人に辞めることを伝えよう」

会社を辞めるとして、まず誰に伝えるべきか。普通に考えると一番身近な上司だと思うのだが、どうせその後、ワンランク上の上司に伝えなきゃいけないと思ったので、僕はいきなり「自分が話せる一番偉い人」に辞めることを伝えた。

肩書きは覚えてないけど、フロアの真ん中に「お誕生日席」の向きで座っている人だ。

お誕生日席の上司に「退職届」を持っていったのだが、退職届には「一身上の都合により」などと書くと無用な説得に遭いそうな気がしたので「新しいことに挑戦すべく会社を設立するため」と書いた。「他に好きな人ができた」パターンは説得されづらいだろう。

しかし、その偉い人は意外なことに“一応”引き留めてくれた。もしかしたらパフォーマンスだったのかもしれないけど「あの部署に異動すればキミのやりたいことができるかもよ」と教えてくれた。優しいなぁと思う反面、いま言われてもなぁと思った。退職をチラつかせたら行きたい部署に行けるのかも? と勘ぐってしまった。

その偉い人は、退職届を受け取るのが初めてだったらしく、上司の所感を書く欄に何を書けばいいかわからずググっていた。なんか少しはしゃいでいた、気のせいか。

その後、人事部の人にも話をした。淡々と退職金などのお金まわりの話をされた。当たり前だけどかなり事務的で、さっきの上司と違って「退職され慣れてるな」と思った。

気になる退職金は、30代だと全然もらえないことがわかった、あと5年働いて40代になるとけっこうもらえるみたいだった。5年も待ったら絶妙に辞める気がなくなりそうだし、うまくできた制度だなと思った。

その他、お世話になった先輩・同期・後輩に個別で辞める連絡をした。熱い返事をくれた人もいたし、既読無視の人もいた。「辞めてからも一緒に仕事したり飲みに行こう」と言ってくれた人たちもたくさんいた。そのなかで今現在、本当に一緒に仕事ができている人もいるし、本当に飲みに行った人もいた。

逆に、その連絡以来、からっきしの人もいた。からっきしになる人もいるんだろうな……というのは、なんとなくこれまでの付き合いで予想できたけど、独立すると1つ1つの仕事のありがたみを段違いに感じるので、「有言実行」してくれた人たちへの恩は一生忘れないと思う。

同期のLINEグループにも辞める旨を投稿した。「前に辞めた同期の挨拶文をコピペする」という、わかりづらいボケを投下して誰にも気づかれなくて恥ずかしかった。退職の挨拶はしくじると挽回のチャンスがないので、ボケないほうがいいと知った。

僕が辞めた挨拶にみんなが返事をくれて以来、そのグループは動いてないので、僕を排除した「新生同期」のLINEグループができているのかもしれない。

部署の大きい会議で最後にスピーチをするかと聞かれたけど、恥ずかしいから断った。このスピーチをサボったせいで、各人に1人ずつ事情を聞かれるハメになったので、これから辞める人には絶対に「まとめてスピーチ」をおすすめする。

仲良い芸人さんたちにも辞めることを伝えた。金属バット(大きなハゲと猫背ロン毛の漫才師)は、口を揃えて「なんだそんなことっすか」と軽くあしらってくれた。会社を辞めることに対して“かかっていた”ので、かなり肩の荷が降りた。

ランジャタイ国崎さん(立川志らく師匠お気に入り芸人)は、大笑いしながら「TP終わりましたね」と言ってきて本気でムカついた。ただ、そのあとに「本当に終わったら連絡ください」とも言ってくれた。カッコよすぎるので書いてる今、やっぱりムカついてきた。

ランジャタイ伊藤さん(国崎さんの隣にいる人)には、今日の今日までちゃんと伝えてない。