おはようごさいますこんにちはこんばんは、番組プロデューサーのTPこと高橋です。「TPコーポレーション東京X」という変な名前の会社の社長です。2024年5月現在、従業員は僕含め3人の弱小企業です。

もともと「テレビ朝日」というテレビ局の社員だったのですが、一念発起して社長になりました。退職の経緯などは過去回をご参照ください。今回は社長になりたての日々のことを記したいと思います。

平社員→係長→部長→副社長……みたいに出世を重ね、満を持して社長になったのではなく、平社員→独立!!→社長というチートを使って社長になったので、かなり「なったはいいものの……」の連続です。本当にあらゆることをどうしたらいいか、わかってないです(今も)。わかばマークの社長、最悪です。

スケジュール管理ができない!!

社長になったはいいものの……1人なので、スケジュール管理は自分でしなければならない。どれくらい働いて、どれくらい休むか、誰と会うかなど、これまでは会社内のルールで過ごしていれば問題なかったが、ルールすらない状態。無限に働いてもいいし、無限にサボってもいい、恐ろしい……。

社長1日目。最初に何をするべきか考えた僕は、「デトックスしよう」という結論に至った。会社員時代に溜まっていた毒素を排出し、気分はもちろん、細胞から新しい自分に生まれ変わろうと考えたのだ。

そこで僕は、なぜか「米ぬか酵素浴」に行くことにした。いま思えば「岩盤浴」や「サウナ」でよかった。冷静になれば、絶対に“米ぬか酵素浴じゃない”というのはわかるのだが、社長1日目の僕は完全に“かかって”いた。何をすればいいのかするべきなのか、本当にわからなかった。

これが案の定、大失敗。

その名の通り、「酵素をたくさん含んだ米ぬか」に体を全て埋められ(砂風呂と同じやり方)、顔にもたっぷりと米ぬかを塗りたくられる、まるでキュウリじゃないか。口につっこまれたチューブで水分補給だけはできたので、かろうじて人間のテイを保てていたが、30分間、米ぬかに浸り「漬物体験」をした。

たしかに気持ち良かったし、毒素が排出された気はしたのだが、デトックスと引き換えに「洗っても全く落ちない米ぬかのニオイ」を身にまとうことになった。社長就任1日目、どんな仕事よりも早く「米ぬかのニオイ」をゲットした。気合いを入れて着込んだ「社長服」が全てダメになるほど、強烈なニオイだった。

なんなら、遠くに置いといたカバンにまでニオイがついた。あぁ……やってしまった。しかし、これもすべて自己責任、社長はつらいよ。社長になっても「米ぬか酵素浴」には手を出しちゃいけないと、僕から未来の社長たちに伝えておく。

社長4日目。「打合せを小学校の時間割くらい詰め込む」というミスを犯した。これによって、ごはんを食べる時間がなくなり、真剣な打合せの場で空腹が限界に達し、そのカフェ唯一のフードメニュー「ガレット」という謎の食べ物を、打合せの最中に食べることになった。

どんな味なのか、どう食べるのか、何もわからない状態で、とりあえず打合せ相手がパソコンに目を落としている隙にバレないように食べ終えた。食事の時間もしっかりスケジュールに組み込まないと、恥ずかしい思いをすることを学んだ。

僕は社長就任から数日で、「こういうときのために『秘書』が必要なのか」と気づいた。今も秘書は雇っていないが、いつか「秘書」にスケジュールを管理されたい。