新型のウイルスが世界的に蔓延し、今、我々はこれまでに経験したことのない“渦”のなかにいる。ウイルスが原因でなくとも、不安から体調を崩す人も多い……。つまり、それだけギリギリのラインで、多くの人が生活を続けているというわけだ。

テレワークが広がりつつあるものの、どうしても電車に揺られなければいけない日もあるだろう。仕事の内容によっては、どうしても不特定多数の人との接触が避けられない人もいるはずだ。

そんな不安な今だからこそ、提案したいことがある。それは、手洗いマスクだけでなく、自分自身の免疫力を高めるという“抜本的なウイルス感染症の予防”である。

ここでは、『れんこんパワーで病気をはじき出す! 粘膜力でぜんぶよくなる』(小社刊)の著者であり、日本における免疫音楽医療研究の第一人者で、専門分野は動物生体防御学、腫瘍免疫学、アレルギー学など、幅広く免疫療法について精通している“免疫のプロ”和合治久氏が提言する、ウイルス感染症の「最大の予防法」について紹介していきたい。

粘膜力でぜんぶよくなる/和合治久

「免疫力」とは「粘膜力」のこと

「免疫力」という言葉が一般的に使われるようになって久しい。ゆえに、免疫機能がきちんと働いていれば、ウイルスのみならず、あらゆる病気を遠ざけることができることは、多くの人の知るところだろう。

逆に、免疫力が落ちている時には、細菌やウイルスに感染しやすくなったり、できた腫瘍ががん化して生命の危機に脅かされることも。また、免疫の過剰反応あるいは異常反応によっては、アレルギーや自己免疫疾患を引き起こしやすくなることもある。

では、どうすれば「免疫力」を上げて、恐ろしい病気やウイルスを遠ざけることができるのだろうか? 

40年以上も長きにわたり「免疫」の研究を続けてきた和合氏は、こう提唱する。

「健康に生きていきたいなら、まずは粘膜ケアを心がけること」。長年の研究のすえにわかったのは、「免疫力」のカギは「粘膜力」にある、ということだった。

「粘膜」については、まだまだ気にしている人は少ないかもしれない。しかし、胃カメラなどの内視鏡検査を受けたことのある人なら、自分の内臓の粘膜を見たことがあるのでは?

あの粘膜の表面がきれいなピンクで、粘液でしっとりと潤っていたなら、あなたの粘膜はどんな病気でもはじき出してくれる。粘膜から分泌される粘液〔例:唾液など〕には強力な免疫物質が含まれ外敵を排除してくれるからだ。

「免疫力」とは「粘膜力」のこと イメージ:PIXTA

知ってほしい食物のパワー!

また、免疫力を上げる、つまり粘膜を鍛えるために、特別な医薬品などは必要ない。必要なものは「薬」でも「サプリメント」でもなく、「食物」なのである。

もちろん、「ただの食物で劇的な効果が出るなんて、信じられない!」と思われる人もいるかもしれない。しかし、この「食物」のパワーは、さまざまな実験で効果が確認されているという。

つまり、粘膜力は自分で高めることが可能! 粘膜力を高め、しっとり潤った粘膜をキープすることで、健康寿命を伸ばすこともできるし、恐ろしいウイルスや病気を遠ざけることも難しくない。

では、その粘膜力キープのために、ウイルスから身を守るために、いったいどんな「食物」をとればいいのだろうか? 以下、効果的だと思われる「食物」を具体的に紹介していくので、是非とも参考にしてほしい。

知ってほしい食物のパワー! イメージ:PIXTA