今こそ、毎日の「味噌汁」を!

和合氏が、「免疫力=粘膜力」アップのために、もっともおすすめしたいと語るのが、「れんこん」。れんこんは粘膜力を高めるために必要な成分を多く含むだけでなく、それ以外にも免疫力に効果的な成分を含むため、非常に効率のよい食物だという。

キーワードは“ネバネバ”。長芋やれんこん、オクラ、モロヘイヤ、アシタバ、納豆など“ネバネバ”成分を含む食材を意識して食べることで、乾燥した粘膜にバリヤーをつくり、ウイルスの侵入を防いでほしい。

さらにいえば、長芋はバリヤーをつくる上にインフルエンザウイルスを撃退するディオスコリンAという成分を含んでおり感染を防いでくれる。

また、ウイルスを撃退するとされる「免疫細胞を活性化する物質を含む食材」も、わすれてはいけない。具体的には、ヨーグルトなどの乳酸菌食品、コンブやワカメ、モズクなどの海藻類、シイタケやナメコ、マイタケなどのキノコ類、バナナなどの果物、ポリフェノールを多く含む緑茶やシソ、ニンニクや玉ねぎなどの淡色野菜など。

そして、今こそ「味噌」に注目を!

発酵食品、とくに味噌は、ウイルスが体内の細胞に結合することを防ぐ物質が存在しているようだ。ひとり暮らしをしているとつい忘れがちな味噌汁だが、「一日一杯」を心がけることで、あなたの「免疫力=粘膜力」アップにつながり、不安な毎日を乗り切るための、心強い味方となってくれることだろう。

ネバネバ食材・レンコン イメージ:PIXTA
ネバネバ食材・納豆 イメージ:PIXTA
発酵食品・味噌(味噌汁) イメージ:PIXTA

手洗い、うがい、マスクにアルコールジェル……。どれも欠かせないものかもしれないが、それと同じ、いや、それ以上に大きな味方となってくれるのが、昔ながらの「食物」であるということに、いま、あらためて立ち返ってみてはいかがだろうか?

「免疫力=粘膜力」アップこそが、ウイルスという敵に対する、「最大の予防」となるのだから。

プロフィール
和合治久
埼玉医科大学短大名誉教授/理学博士。1950年、長野県生まれ。東京農工大学大学院修了。京都大学にて理学博士号取得。国際個別化医学会顧問。日本における免疫音楽医療研究の第一人者。専門分野は、動物生体防御学、腫瘍免疫学、アレルギー学などで、幅広く動物と人間の生体機能と健康の関係を解析している。