室外機を見つけると生きていてよかったと思う
次に紹介する路地裏は、銀座6丁目にある岩月ビルの先にある路地裏。
そこまで狭い路地ではないのですが、こちらも見上げた時に見える姿が何しろ格好良い。周りを囲んだ建物たちのダクトやハシゴが一直線に天へ向かって伸びており、どこまでも続いているように見えます。
通路横の柵の向こうに敷き詰められた少し大きめの室外機たちも良い味を出しています。まとまっているのを数えただけでも8台はあり、ワイワイしていてとても可愛いです。室外機って、人間がいない時に室外機同士でおしゃべりをしている気がしてしまう。
路地裏などの街歩きが好き、と一言でいっても、その目的はさまざまであり、電線と空のエモい写真を撮りたい人、珍しいマンホールを見つけ出したい人など、いろんな方がいらっしゃいますが、私は室外機を見つけると生きていてよかったと思うタイプです。何しろ見た目が好き。白くて四角いフォルムにこちらを見つめているような目(ファンのあるグリル部分)。なんだか某妖怪漫画の目玉のキャラクターのように見えてきませんか?
こんなにも可愛くて、我々の生活に欠かせない重要な仕事を毎日こなしているのにも関わらず、あまり建物の表側には出してもらえず、目立たない、それこそ路地裏に追いやられてしまっている不遇な面もまた愛おしい。見かけると「いつもありがとう、お疲れさまです」と心の中で呟きながら写真を撮ってしまいます。
ちなみに、室外機は正面から見て左側に目があるのが一般的なのですが、たまに右に目がついた室外機もいます。レア種ですね。この右目室外機を探すのも、私の路地裏探索の楽しみの一つだったりするので、路地裏好きの皆さまもぜひ見つけてみてくださいね。
さて、盛大に話が逸れましたが、先ほどの路地裏の話に戻りましょう。通路横の柵からは、さらに奥の路地裏が見えるのですが(勿論、柵の向こうなので立ち入り禁止)、この路地裏もまた渋い。通行人が通るところではないので、配管とダクトと室外機のお祭り騒ぎになっていて、柵の外から覗くだけでも胸がいっぱいになります。
路地裏の無機物は、ゴチャゴチャしていればしているほど魅力的なので、ここのカオス感が好きな方はたくさんいらっしゃると思います。
ただ流石の銀座と言いましょうか、こういった路地裏や立ち入り禁止の向こう側というのは、往々にしてゴミがポイ捨てされているものなのですが、ここ含め今回紹介した路地裏はゴミが全く落ちておりませんでした。銀座ってすごい。路地裏までも品がある。
まだまだ渋い路地裏が眠る東京。読んでいて少しでも胸の高鳴りを感じたあなた、すでに路地裏界隈の仲間入りです。さあステキな路地裏を探しに行きましょう。