2019年6月に発表された金融庁の報告書による老後2000万円問題。これからの日本社会では、今までのお金の常識が通じなくなってしまうかもしれません。“地獄の老後”を味わうことがないようにするために、マイホームを使って副収入を得られる「学童保育」と「外国人留学生のホームステイ」の方法を、経済アナリストである神樹兵輔氏が指南する。

※本記事は、神樹兵輔:著『老後に5000万円が残るお金の話』(ワニブックス刊)より、一部を抜粋編集したものです。

ローン完済のためのマイホーム活用法を考えよう!

将来の人口減少で価値が激減するマイホームは、今のうちにさっさと売却して身軽になっておかないと大損します。しかし、住宅ローンでマイホームを購入した人の中には、残念ながら売りたくても売れないという人も少なくありません。売却可能価額よりも、住宅ローンの残債が多ければ、その差額を補てんする資金がないと損失の穴埋めができないからです。

そんな人は、将来の老後資金も貯められず、ボロボロになったマイホームと心中しなければならなくなります。年金を受給する65歳以降も住宅ローンが残っていたら、「地獄の老後」です。定年までにローンを完済させるために、マイホームを活用し、収入増につなげる手立てを考えるべきといえるのです。

自宅を「学童保育」で月10万円

自宅を使って、手っ取り早くスタートできるビジネスなら、「学童保育」が有望です。妻が専業主婦なら、うってつけでしょう。「学童保育」とは、保護者が昼間いない家庭の小学生を、学校の放課後の午後2時ごろから預かる保育システムのことをいいます。大人の指導者の監督下で、子どもたちが本を読んだり、ゲームをしたり、宿題をしたり、途中でオヤツを食べたりする環境を提供します。

夫婦共働きが増える中、こうした学童保育施設は非常に不足しています。費用の安い公立の施設はつねに定員オーバー状態で、待機児童はあふれています。また、公立の施設は、利用者は小学校3年生までに限られていたり、午後6時までしか預けられないなど使い勝手が悪かったりします。子どもが高学年になったら、塾で過ごさせるか、家で留守番をさせるか、勝手に遊んでもらうより選択肢はなくなります。これでは母親も安心して働けないわけです。

一般的な預かり料は公立が、月額6000円程度です。民間の個人や法人で月額7000円~1万円程度、この他にオヤツ代を実費で1000円~1500円徴収できます。NPOや法人を設立することで自治体から補助金が出るケースもあります。塾と違って勉強は教えませんが、宿題は見てあげると親から喜ばれます。

午後6時までの預かり料を月額1万円に設定、低学年の子ども5人を預かれば、月額5万円ですが、午後6時以降の延長料を1時間ごとに700円程度徴収する制度にすれば、毎日2000円~3000円のプラス収入になり、月20日稼働で月4万円~6万円の収入になります。預かり料と合計すれば、月額9万円~11万円は稼げ、住宅ローンの返済にも回せます。

春休みや夏休みは、朝から子どもを預かるので、預かり料は民間平均で月額3万円~5万円です。こんな時はボーナス収入で、月額19万円~31万円にもなるので儲かります。