国家の命運を外国に委ねるな! 独立国としての「フリーダム(freedom)」を、外国と官僚に依存した戦後体制によって奪われている日本。国際情勢や国内の諸問題を通じて、真の「フリーダム(freedom)」とは何か? 『日本は誰と戦ったのか』(ベストセラーズ)で第1回日本再興大賞を受賞、第20回正論新風賞を受賞した江崎道朗氏が日本再建の道はどこにあるのかを示す!

米朝有事で日本が被ることが予測されるリスクとは

2017年8月までに安倍首相のもとに報告されていた、米朝有事の際に日本が被ることが予測されるリスクを解説しましょう。

第一に、最も大きな脅威は、日本国内のテロです。特に日本の大都市圏は、テロに対して脆弱であり、本格的な爆弾テロを受ければ、その被害は甚大です。

第二の在日米軍基地へのミサイル攻撃も脅威ですが、それ以上に憂慮されるのが日本国内のサヨクによる在日米軍に対する嫌がらせ、抗議活動です。

それでなくとも沖縄の米軍基地に対する抗議活動に不快感を示しているアメリカ政府が、半島有事に際して日本のサヨク活動家たちから大規模な反米活動を仕掛けられると、「北朝鮮の核の脅威から日本を守るために戦っている我々アメリカ軍を日本人は非難するのか」といった誤解が生まれ、日米関係が大きく傷つく恐れがあるのです。

第三の在韓邦人の危機も深刻です。現在、韓国にいる邦人の多くは、仕事で韓国にいる人たちです。韓国に会社、工場などがあり、そんなに簡単に日本に帰国できないのです。無理やり帰国させれば、倒産する会社も相次ぐことになるでしょう。

▲米朝有事で日本が被ることが予測されるリスクとは イメージ:PIXTA

第四のリスク、《米朝開戦になれば、中国人民解放軍が中朝国境の鴨緑江を突破して南下してくるのは必至。そうなると尖閣諸島は無論、九州北部の手厚い防衛が必要になる》も深刻です。

中国が尖閣諸島海域に対して領海侵犯を含む挑発行為を繰り返しているのはご存じの通りです。しかも、台湾・尖閣への攻撃態勢を急速に整えているのです。

《台湾の国防部(国防省に相当)は2日までに、中国の軍事力に関する年次報告を立法院(国会)に送付、海軍陸戦隊(海兵隊)を南海艦隊の傘下から海軍直轄に格上げしたと指摘した。

習近平国家主席が主導する軍改革の一環で、陸軍の関連部隊との連携も強化しており、台湾や尖閣諸島(沖縄県石垣市)など島嶼への侵攻能力を高めていることがうかがえる。また、2020年までに「台湾への全面作戦能力を完備する」計画を着実に進めていることも改めて浮き彫りになった》

[平成29年9月2日付産経新聞]

トランプ政権としては、北朝鮮を攻撃する際に中国がそれを黙認、または協力してもらうことが必要になります。

その際、中国側は当然、トランプ政権に条件を提示するはずです。その条件の一つが、尖閣諸島侵略の容認だと想定されるのです。中国は、海上民兵という漁民を偽装した非正規軍を創設していて、米軍が北朝鮮を攻撃した隙に、尖閣を不法占拠するというシナリオです。

この海上民兵部隊は約六千人と想定されています。

トランプ政権がこうした取り引きに応じるとは思いませんが、米軍による北朝鮮攻撃の隙を衝いて中国が尖閣侵略を仕掛けてくる可能性があるのです。

▲アジア太平洋の平和を守る日米政権の密接な連携 イメージ:PIXTA

※本記事は、江崎道朗:著『フリーダム 国家の命運を外国に委ねるな』(展転社刊)より、一部を抜粋編集したものです。

『国家の命運を外国に委ねるな!』は次回6/2(火)更新予定です、お楽しみに。