同じクラスになったアイドルの音読を、隣の席で聞けたら——。そんな追体験ができる、聞いて焦がれる純文学をお届けする音声コンテンツ『THE FIRST 音読』。

今回、Newsクランチ!読者のみなさまに、その第1回を飾ってもらったHKT48の豊永阿紀、栗原紗英、大庭凜咲、龍頭綺音、秋吉優花、井澤美優、江口心々華、大内梨果、松永悠良、梁瀬鈴雅、10名の朗読を実際に聞いた感想を送ってもらう『THE FIRST 読書感想文』を開催!

今回、『檸檬(著:梶井基次郎)』と夏目漱石の『夢十夜 -第十夜-』を担当した梁瀬鈴雅さんに、実際に朗読してみた感想や、『THE FIRST 読書感想文』への思いをお聞きしました。

自分のリズムで読めるのが朗読のいいところ

――梁瀬さんは『THE FIRST 音読』で『檸檬(著:梶井基次郎)』と夏目漱石の『夢十夜 -第十夜-』を担当いたしました。今回、音読に挑戦してみていかがでしたか?

梁瀬:文章を自分の解釈を含めて朗読していくのはすごく難しいと感じていたので、だからこそすごく準備と練習をして臨んだんです。緊張もあったのですが、終えたあとは楽しかった、また朗読してみたい!と思いました。

――ご自身のを聞き直したりはしましたか?

梁瀬:はい、改めて自分の朗読を聞くのは少し気恥ずかしさがあったのですが、実際に聞いてみると、すごくサラッと入ってくるので、結構お気に入りになりました。眠れない夜に聞き直したりしています(笑)。

――素敵ですね(笑)。朗読するにあたって意識したことはありますか?

梁瀬:音だけで純文学と呼ばれる作品を伝える、主人公の感情を聞いている方々に伝えるにあたって意識したのは、余白ですね。間のとり方とかをきちんと考えて、聞いている方に作品について考えて欲しい。純文学は特に、楽しむ方によって解釈が違ってくるのも魅力のひとつだと思うので、自分の解釈を入れすぎないようにしました。自分の中では少し多めに感じるくらい余白を入れて、自分の中でも今のはどういう意味だったのかなと思ったら、間をもう少し長く入れたりとか、そういうことはしました。

――梁瀬さんの朗読は、この主人公がどういうことを考えているか、を考えさせる、心地よいリズムだったと思います。普段、HKT48で行う歌唱と朗読は違いましたか?

梁瀬:そうですね、今回、あえて余白を意識したのも朗読だったからだと思います。歌はリズムに乗せて歌うので、余白にまで考えが及んだことはなかったんですけど、朗読のいいところは、私のリズムでお話できるところだな、と思いました。

――夢十夜はラストの『第十夜』を担当されました。今回、梁瀬さんの音読を石橋さんはこう評してました。

ーートリの第十夜を飾ってくれたのは、梁瀬鈴雅さん。

石橋:思ったより声が高くて、かわいい感じだったのが意外でしたね。みんな、すごく聴きやすくて耳にスーッと入ってくるんですけど、いちばん入ってきたのは鈴雅ちゃんだったかもしれない。だって、いちばん尺が長いお話だったんですけど、本当にアッという間に終わってしまったので。さすがだな、完璧に仕上げてくるなぁ〜って。

――梁瀬さんは歌やダンスはもちろん楽器もできてしまう才女で、本当になんでもできてしまう印象があるんですけど、だからといって朗読をこなしたって感じではなく、ものすごく丁寧に取り組んでくれたなぁ〜、と。

石橋:そう! すごくゆ〜っくりとじ〜っくりと落ち着いて読んでくれるから、聴いていて安心感と安定感があるんですよ。まるで親が読んでいるのを聴いているような感覚。これってすごいことだと思います!

梁瀬:安心感と安定感という言葉が嬉しいですね。

――実際に『夢十夜』を朗読してみていかがでしたか?

梁瀬:『檸檬』も難しい作品でしたが、『夢十夜』は比べ物にならないくらい難しかったです。何回も読んだんですが、比喩表現が多かったので、これは何を表しているのかを捉えるのにすごく苦労しました。完璧な正解を見つけるのは不可能に近いという結論になったのですが、映えある最後を私が担当するわけですから、ふわふわさせすぎないように、情景はしっかりと伝える、ということは意識しました。自分の解釈はいれていないです。