三者三様の個性を活かした爆発力のあるコントで、コント頂上決戦『キングオブコント』で二度ファイナリストとなっているネルソンズ。日々、各地にある吉本の常設劇場の舞台に立ち続け、言葉では言わずともネタへの自信を覗かせる彼らの、コントへの情熱は計り知れない。インタビュー中は交わす言葉数こそ多くはないものの、時に熱くなり、時に照れくさそうに、16年培ってきた彼ららしい独特な間で和気あいあいと話を進めていく様子が印象的だった。

※本記事は『+act.(プラスアクト)2026年2月号』(ワニブックス:刊)より、一部を抜粋編集したものです。

単独っていいなと思えた

――2年連続での単独ライブ、2日間にわたっての開催はお三方にとって初めてのことだそうですね。

青山:昨年、6年ぶりに単独ライブをやったんです。それまでは隔月で新ネタライブをやってたんですけど、単純にそのやり方に飽きちゃったというか。久々に単独をやってみたら楽しかったですし、単独っていいなと思えたんですよね。で、昨年は2月にやったので、そのあたりでジェラードンさんとの全国ツアーの兼ね合いも考えながらこの2日間に決めました。1日に2公演やってもよかったんですけど、体がもたないだろうということで1日1公演ずつやることになりました。

岸:確かに昨年、久々に単独をやってみたら高揚しましたし、新ネタライブとはちょっと違う感覚がありました。

青山:新ネタライブはネタをおろすだけなので、作品としてまで持っていかなくてもいいみたいなところがあるんです。けど、単独はやるからにはちゃんと仕上げないといけないですからね。

岸:昨年、単独が終わった瞬間、青山が『1公演だけだともったいないな』って言っていて。青山も高揚してるんだなと思って嬉しかったですし、『そうだよね』って感じでしたね。

和田:僕としては単独をやるなら全力でとは思っていますけど。

――和田さん、高揚感は?

和田:あんまりなかったですね。

岸:嘘つくなよ!

和田:(笑)。もちろん楽しかったです。ただ、単独をやろうっていうのは青山が決めてくれたことなんで、正直なところ、あんまり意思がないというか。

岸:僕の意思もそこまではないですね。ただ、単独はやるとやっぱり昂るので、青山ありがとうって感じでした。

――単独開催決定だけではなく、ネタやライブの構成も青山さんが考えているんですよね。いつもどれくらい前から準備に取りかかるんですか。

青山:気持ちとしては3カ月前くらいから取りかかってますけど、本格的に動き出すのは1カ月くらい前ですね。今回は意外とバタバタしていてまだ取りかかれていないので、もうちょっと時間に余裕がある時にやればよかったと、すでに焦ってますけど。

和田:まぁ、俺らは前日にできていれば大丈夫です。

岸:さすがに前日は無理よ?

青山:昔は深夜に集まって朝まで3人でネタ合わせしてましたけど、おじさんになった今は体力がないんでね。ある程度台本をつくってから、変えたいところがあれば変えてもらうという感じで進めてます。最後のオチゼリフはいつも“面白いひと言”としか書かず和田が考えてくれているんですけど、信頼してるんで任せてますね。

和田:面白いかどうかは捉え方次第ですけどね。ウケないことなんてしょっちゅうありますけど、今回は2公演。チャンスは2回あるなと思ってます。

青山:だからネタは自由というか、流れを汲んでくれればそれでいいかなという感じです。ガチガチに固めた台本を書いても、特に和田は覚えてくれないんで。

和田:いや! だいたいは覚えてますから!

――岸さんはどうですか? コントの役割としてはアクセントというか、途中から入ってくることも多いぶん、大変なこともありそうですよね。

岸:緊張感はエグいですよね。俺が入って流れを崩したらどうしようと思いながらやってます。あと、出るタイミングを間違えることも余裕でありますし。

青山:単独とか新ネタライブとか緊張感がある時は大丈夫なんですけど、日々のライブではトチることもありますね。

岸:ネタ中に何回か出たりはけたりする時、舞台袖で次の出番の人に話しかけられたりすると、今どこだっけ? ってテンパったりして。

青山:1回ありました。ずっと出てこないから和田が(岸を)探しに行って、舞台
に俺ひとりだけになったことが(笑)。

和田:あぁ、あったわ。

岸:いや、俺、行方不明にはなってないのよ。袖にいたのに出トチったんです。あと、昨年の単独は最後にバンド演奏をやったんですよ。オープニングだったらまだしも、最後だったから、コント中もバンドのことで頭がいっぱいで。

和田:それもあって全ネタ集中できてなかったですね。

青山:だから、今回そういうことだけはやめようと思ってます。

90分を通して面白くなれば

――賞レースを意識してネタをつくることもありますか?

青山:できるだけ意識しないでつくれたらいいなとは思ってるんですけど、十何年挑戦してるので狙わずともというところはありますね。まぁ、賞レースを意識せずともネタがゆるければスベるので、ちゃんとウケるものをつくらないといけないなと。あと、単独はやる本数が多いので、ネタが似ないように考えてます。まだ何も手をつけてないですけど、今回は新ネタはもちろん、昔のネタの焼き直しをすることもあるかもしれないです。意識するのは、90分を通して面白くなればということだけですね。

――コントをやるにあたって、トリオならではのよさはどんなところに感じていますか?

和田:にぎやかですよね、ふたりよりは。

青山:コンビの人が『このネタにはどうしてももうひとり(の登場人物が)必要なんだよね』とか言ってるのをよく聞くんですけど、僕の場合、ふたりで成立してるなってなる時がたまにあって。あ、岸どうしようってなるんですよ。

岸:たまにじゃないっすよ。余裕でいつもそうです。

青山:(笑)。ただの通りすがりみたいなことで使うわけにはいかないんで考えるんですけど、結果、奇跡的にうまくいくこともあります。

――おふたりから青山さんに、こういうネタをやりたいと提案することはあるんですか。

和田:僕は面白いひと言を最後に言うだけです(笑)。

岸:たまに聞いてくれますよ、『なんかある?』って。発表する時はめっちゃ緊張しますけど、青山はいつもこんな緊張感の中で俺らに発表してくれるんだなと思ったりして。

青山:その緊張感わかれよと思ってたんで、伝わっていたならよかったです。

岸:今回は最初(ネタづくり前)に聞いてくれましたけどね。あとは台本をもらってから、『どういう意味?』とか『どんな感じでやったらいいの?』って聞いて、青山にやってもらったことを真似たりするくらいです。

ネルソンズさんへのインタビュー記事は、発売中の『+act. (プラスアクト) 2026年2月号』に全文掲載されています。