鈴木萌花を突き動かした「恩返し」というピュアな想い

大学進学か、それとも……。揺れ動く気持ちの中で迎えたアメフラっシの再始動。もちろん、やる以上は「4人でメジャーデビューという夢に向かって全力で突っ走る」という気持ちは固まっていたが、それ以上に「どうなっちゃうんだろう?」という不安のほうが鈴木萌花の心の中では何倍も大きかった。

「それが消えたのは、4人で最初にライブをやったときですね(2019年12月15日、神田明神ホール)。本当にたくさんのお客さんに集まっていただいて、その光景を見ていたら『このまま、なににもならずに終わっちゃっていいのかな?』って思ったんですよ。ここまで応援してくださった方や、力を貸していただいた方にできる『恩返し』ってメジャーデビューしかないし、今の4人だったら、それができるんじゃないかなって。そのときにはもう、芸能界を辞めるなんていう選択肢はなくなっていました」

なににもならずに終わる――たしかにこのまま芸能界を去ってしまったら、6年間にわたり活動を続けてきたものの、なにひとつ「形」を残さないで終わってしまう。彼女たちが目指しているメジャーデビューには、そういう深い意味も込められている。

もちろんメジャーデビューがゴールではなく、それがきっかけとなってブレイクしていくための「起点」でしかないのだが、そこにたどり着けなかったら、本当に彼女たちは「なににもならずに終わる」かもしれないのだ。

6年間の活動、と書いたが鈴木萌花個人でいえば、芸能界でのキャリアはもうとっくに15年をオーバーしている。

「お母さんが応募していたみたいで、ホントに小さいっていうか赤ちゃんのころに『ひよこクラブ』の表紙モデルもやっているんですよ、私。保育園のときには子役の事務所に入っていたので、ものごころついたときには、もうこの世界にいた感じですよね」