ホット・スポーツドリンクで体温を上げる

まず最初にご紹介するのは、わたしが風邪を引いたとき、風邪の引きはじめから治りかけまで、ずっと愛飲している飲み物「ホット・スポーツドリンク」です。

みなさんのなかにも、風邪を引いたらスポーツドリンクを飲まれるという方がいるかもしれません。ただ、それを温めて飲む、という方は少ないかもしれません。わたしがスポーツドリンクを温めて飲むことには、ちゃんと理由があるのです。

まず最初の理由は、温かい飲み物を飲んで体温を上げるためです。

すでにご説明した通り、風邪の引きはじめの発熱によって、ただでさえ体温が高いなかでも、わたしたちは、さらにからだを温め、体温を上げたほうがいいのです。そのポイントは次の二つです。

▲ホット・スポーツドリンクで体温を上げる イメージ:PIXTA

一つ目は、体温が上がると胃腸の温度が上がるので、その働きが活発になり消化吸収が良くなるためです。結果として、栄養を効果的に吸収できるようになります。

二つ目は、からだを温めると血管が拡張して血行が良くなります。すると、ウイルスをやっつけてくれる免疫機能を持った白血球は活性化します。結果、侵入してくるウイルスを撃退する力がアップするのです。

一説によると、体温が1℃上がれば、免疫力が5倍にアップすると言われています。やはり体温を上げることは、風邪の引きはじめに欠かせないポイントですね。

ちなみに温めたスポーツドリンクは、朝に飲むのが効果的です。朝は1日のなかで体温が最も下がっていますから、いち早く体温を上げてあげなくてはいけません。

ホット・スポーツドリンクの温度は、お好みもあると思いますが、沸騰するほどまで温める必要もありません。あくまで目的はからだを温めることですから、体温よりも温度が高ければ大丈夫です。38℃以上を目安にコンロや電子レンジなどを利用して温めるといいでしょう。

そうそう、なぜスポーツドリンクを選ぶかについて、まだご説明していませんでした。実はそこに、わたしがホット・スポーツドリンクを飲む理由の二つ目と三つ目があるのです。

まずは、二つ目の理由からいきましょう。

風邪の治りかけのとき、わたしたちのからだは熱を下げようと汗をかきますが、ここで水分補給が重要になりますね。

それを怠ってからだの水分が不足すると、ウイルスの侵入を防ぐために働いている鼻やのどなどの粘膜の機能も低下してしまいます。その結果、外から入ってくるウイルスや細菌を粘膜の段階で食い止めることができず、二次感染を招いて症状がさらに悪化してしまうのです。

そんな状況を防ぐために、水分を十分に取りたいのです。ここで、みなさんご存知の、スポーツドリンクの「吸収率の高さ」がものを言うわけです。

そして最後に三つ目の理由をご説明しましょう。これは、スポーツドリンクの成分に関係しています。

風邪を引いたとき、その引きはじめにも治りかけにも、栄養補給は大切ですね。その点で、水分だけではなく、電解質やエネルギーとなる糖分も含まれたスポーツドリンクは優れているのです。

特に、引きはじめの発熱時には食欲も低下し、栄養不足になりがちですのでスポーツドリンクはぴったりです。

熱があるときに冷たいスポーツドリンクをがぶ飲みしたくなる気持ちは、分からなくもないのですが、ここはぐっと抑えて、ホット・スポーツドリンクを選んでみてくださいね。ただ、いつものスポーツドリンクを温めるだけですから。