「不安と焦り」を緩和させたスタッフたちの支え
リハーサルが終わり、メンバーがバックステージに戻ってきた。
驚いた。たった3曲しか歌っていないのに、尋常ではない量の汗をかいているのだ。いかに、マスクを着用したままでのパフォーマンスが過酷なものであるのかを、その汗の量が如実に物語っていた。
そして、スタッフが駆け寄り反省会が始まる。といっても、感染拡大防止を最優先したライブなので、スタッフの数は最小限。しかもソーシャルディスタンスは厳守しなければいけないから、ギュッと集まっての話し合いもできない。
なんとも歯がゆいが、これがwithコロナ時代の現実なのである。
だが、心強くもあった。筆者がモニターを見ていて感じていた不安を、すべてのスタッフも感じていて、その場で改善策を提案してくれたのだ。
もう本番まで時間があまりないが、急きょ、ヘアメイクさんにお願いして、前髪を直し、少しでも多く顔が露出するように改善する。
また、モニター画面をスタッフのひとりがスマホで録画していたので、それを個々に確認してもらう。つまり、どの曲のどのタイミングで自分の顔がアップになっているのかを把握することで、そこに意識をもっていけることになる。
本番までのわずかな時間で、それらの作業をこなすのは大変ではあるが、即座に指示を出し、段取りをつけてくれるスタッフがいてくれるのは心強い。こういった要素がメンバーの「不安と焦り」を緩和させてくれているのだろう。