電子書店の“中の人”に、この機会にアレコレ聞いてみる「教えて!電子書店の“中の人” 」。記念すべき第1回に登場して頂いたのは、総合電子書籍ストアBOOK☆WALKERの湊谷さんでした。こちらのインタビューが好評でしたので、今回はBOOK☆WALKERの“グローバルな中の人”に聞いてみよう! ということで第2弾をお届けします。
今回は、総合電子書籍ストアBOOK☆WALKERのグローバルな側面を掘り下げるため、ストア事業部で国内販売企画を担当されているイギリス出身のオマーさんと、Globalストアを担当されているドイツ出身のトーマスさんのお二人に、インタビューをさせてもらいました。
日本語はオリジナルを“楽しみたかった”から
――まず最初に、日本で働こうと思ったキッカケなど教えてください。
BOOK☆WALKER オマー(以下 B☆Wオマー) 子どもの頃(3才~)から『ポケモン』や『カードキャプターさくら』を(イギリスの)テレビで見ていたのがキッカケです。それから、もっと日本の文化を色々と知りたくて、ネットでアニメを見たり、漫画を読んだり、YouTubeでAKB48などアイドルのミュージックビデオを見たり、声優さんのラジオ番組を聞いたりして……楽しすぎてたまらなかったんです。
その素晴らしい文化の中心(特に東京)に行きたくて仕方がなくて、更なる“楽しさ”を求めて日本に行こうと決心しました。具体的には、リアルタイムでアニメを見ることや、欲しい漫画を自由に買うこと、アイドルやアニメのイベントに行くことなど、身をもって体験することが夢だったんです。やっぱりイギリスにいるとできないことが多すぎて(笑)。
――漫画とアイドルがキッカケとなったんですね。というか、めちゃくちゃ日本語が流暢ですよね。
B☆Wオマー 最初はテレビでアニメの英語版を見てましたが、日本語でのオリジナルを楽しみたいと思って、大学の時に勉強することにしました。
――BOOK☆WALKERさんに入った理由は?
B☆Wオマー 最初は日本のデジタルマーケティング企業で3年間働いてました。正直ワクワクできなかったし労働時間も長かったので「こんなの、もうやってられない」と思って転職すると決めました(笑)。そこで、どうせ転職するなら“ヲタク”系企業が良いと決めて、たまたまBOOK☆WALKERに出会いました。仕事でも好きなものに触れたくて、やってみようかなと思いました。やっぱり人生短いし、絶対に“楽しい”方が良いと思う!
――オマーさんにとって「BOOK☆WALKER」は、好きなものの塊だったんですね。
B☆Wオマー そうですね。好きなものに関しての仕事がしたくて、何回か面接があり「BOOK☆WALKERでいろんなことをやってみたら」っていうような話をされて「いいな」と思いました。あとはIT企業で働いていた経験を活かせるってこともあるんですけど。これからはデジタルの可能性が大きいと思うので、デジタルならではのマーケティングとか、デジタルトランスフォーメーションというところで、電子漫画の可能性が非常に大きいかなと思いました。
――日本で働いていて困ったことはありましたか?
B☆Wオマー そんなにないかもしれないですね(笑)。日本に来てからは、引っ越しが1番大変だった感じですね。
――引っ越し(笑) 。日本とイギリスでの働き方の違いなどありましたでしょうか?
B☆Wオマー 難しい質問です……。会社によって違うと思います。前職では、労働時間が長くて「働けば働くほど良いし報われる」という雰囲気でしたが、BOOK☆WALKERでは、仕事が終われば別に残業しなくても良い(いかに効率よく成果を残すかが重要)という雰囲気なので。強いて言えば、日本は「稟議」など細かい所が多いですかね。イギリスに比べて会議も圧倒的に多いし長いと思う。イギリスはもっと適当(良い意味でも悪い意味でもあるが)だと思う。
最近、日本も変わってきてはいますが、海外では個人としてのパフォーマンスの方が大事ですが、日本ではグループでのパフォーマンスの方が大事、というのも違いの1つと言えるかもしれないですね。そういった意味では、BOOK☆WALKERは限られた時間で効率的に仕事をするという文化があるので、それは海外に近い方針だと思います。
――日本独特のビジネスマナーみたいなものもありますよね。
B☆Wオマー それは確かにありますが、そもそも自分はイギリスでアルバイトはしてたんですけど、フルタイムでの仕事は日本の新卒が初めてだったんです。イギリスでの経験がないので、日本の方が当たり前になってしまいました(笑)。ビジネスマナーでいうと、エレベーターの前でお辞儀をするとか、タクシーの中での座る位置とか、前職ではそういった授業がありました。