本当のスタートとなった名機『キングパルサー』

一方、ノーマル機には「出玉の自由な波」がないんですよ。なので、ノーマル機はほとんど打ちませんでした。そもそもリーチ目とかが理解できなかったのもありますが(笑)。パチンコにあったような確変もないわけなので、ひたすら「当たりを積み重ねてコツコツ繰り返す台」というふうに、当時の僕は思っちゃってたんですよね。目押しレベルもそんなに高くないし。

もちろん、今となってはノーマル機の楽しさもわかります。いわゆる「リーチ目マシン」の楽しさを知ったのは、5号機の『ハナビ』(アクロス)からと、かなり遅いです。しかも、ハナビですら、初めて触ったのは、リリースされてから1年くらい経ってからでしたね。周りが「面白い面白い」っていうから、試しに打ったんだよな。いわゆる「リーチ目」や「予告音やフラッシュ等の条件付き」で押す範囲が絞り込めたり「矛盾でボーナス確定!」みたいな楽しみ方が、やっとできるようになりました。遅いですけどね。

「羽根モノは、ちょこちょこ打っていた」と書きましたが、羽根モノは台ごとの違ったゲーム性が楽しめました。玉の動き、役物の作り。そしてなんといっても「当りやすい」。その時その時で、荒波マシンとは全く異なった「無限のゲーム性」が広がります。熱くなる瞬間が多かった。今よりも機種の選択の幅も広かったです。地元で打っていた『ファインプレー』(マルホン)のほかに、似て非なるゲーム性を持っている『たこ焼き八ちゃん』(ダイドー)とか、よく打ったなー。それに引きかえて、ゲーム性が物足りなくなって、CR機をそんなに打たなくなっていったのが、この頃でした。

また、いわゆる「裏モノ」と呼ばれる台が、大量に横行していた時期でもあります。当然ながら、そういった台は「ノーマルの皮を被った、爆裂連チャン仕様!!」だったりするわけなのですが、僕は裏モノは極力避けてました(この頃にパチスロを打っていた人は、裏モノにハマっていた人も多かったみたいですけどね、うちの代表みたいに)。

▲裏モノにハマっていた人

なぜ、裏モノを避けていたか?

それは、ここまで全部読んでくれてる人なら分かるかもしれません。僕が変なところで臆病だからですよ(笑)。ちゃんとメーカー公式・公認の動きをする台じゃない台で打ったら、どうなるか分からないじゃないかっ!!

……話が、また横道に反れてしまいました。僕の良くないクセですね。

なので「ゲーム性」を求めて打った結果「荒波機」ばっかり打つようになっていた僕。ですが、普通に打ってたら負けますよね。そんな負けっぱなしの僕でしたけど、いよいよ少しずつ、パチスロについての知識も勉強しはじめ「できるだけ負けないように!」動き回ることになります。

今となっては当たり前かもしれません。「ゾーン狙い」「天井狙い」という、アレです。そして、この頃の僕にそれを教えてくれた機種、その他にもスロットのいろんなことを教えてくれた、思い出の機種。僕のパチスロ人生の“本当の”スタートとなった台。

それが『キングパルサー』(山佐)です。

『キングパルサー』は、4号機を代表するストック機です。ATは搭載していません。ビッグとレギュラーで出玉を増やすという意味では、ノーマルタイプです。ですが、この台には「ボーナスが成立しても、すぐには揃えられずに、ストックしていく」といったゲーム性を持っていました。内部的に決定された規定ゲーム数まで回さないと、ボーナスを揃えることはできません。ですが、その規定ゲーム数までの間も、ボーナスの抽選はしていて「規定ゲーム数に到達すると、早いゲーム数で溜め込んだ分を放出する」という形を取ることにより、意図的に「ハマリと連チャンを繰り返す」ゲーム性を実現していました。

規定ゲーム数が近づいてくると「前兆」として、カエルがドット上で連続して出てきたりとか、今では山佐の十八番となった「バウンドストップ」なんかも搭載されていて「(バウンドストップから)小役がハズれると、ボーナス放出確定!」といった、シンプルながら極めて優秀なゲーム性となっていました。